博物館コースの企画展『自動的に楽器を演奏するものたち展』で演奏している展示品のご紹介。
今回はバレル(木の円筒)を使用して演奏する自動ピアノ『メカニカル・ダルシマー(1860年頃 イギリス製)』と『バレル・ピアノ(1910年頃 フランス製)』です。
左側のメカニカル・ダルシマーは弦が見えるので楽器とわかりますが、右側のバレル・ピアノはピアノというより家具のようです。
初期の自動ピアノはこのように鍵盤が付いていないものが多く作られていました。
企画展では仕組みが分かりやすいように蓋を開けた状態で演奏しています。
メカニカル・ダルシマーは手廻しで演奏します。当時、このピアノを担いで家々を回り、演奏してはお金をもらう商売もあったことから、ストリート・ピアノとも呼ばれました。
曲目はわかりませんが、楽しそうなダンス曲が7曲入っています。
バレル・ピアノは営業用として使われていたようで、コインを入れると1曲演奏します。
動力はゼンマイで1曲演奏するのに15回くらい巻きます。大きいハンドルがゼンマイ用ですが、最後の方は結構重くなるので大変です。
1本のバレルには10曲入っていて、小さいハンドルを回すと曲が変わります。
反対側には音色切り替えレバーが付いていて、ピアノまたはマンドリン(のような音色)が選べます。
緩やかな曲線のデザインに、当時流行していたアールヌーボー様式の特長が表れています。
いずれも滅多に演奏しない展示品で、今回の企画展で初めて聴いたスタッフもいます。
次はいつになるかわかりませんので、ぜひこの機会に聴きにいらしてください。
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