すっかりご無沙汰してすみません。
博物館に貯めてあった資料をスキャナーで読み込んだり、いらない資料を廃棄したり、なんだかんだと時間が経ってしまいます。
さて今日YouTubeにアップしたシリンダー・オルゴール。
1861年頃のスイス、ニコールフレール社のオルゴールですが、ちょっと珍しいのです。
全8曲のうち5曲がロイヤル イングリシュ カドリーユという曲が収録されています。
チューンシート(曲目シート)
1-5 ロイヤル イングリシュ カドリーユ 作曲:ジュリアン
1 パンタロン
2 夏
3 めんどり
4 羊飼いの少女
5 フィナーレ
6 ザ ミリタリー, スコティッシュ 作曲:ジョーンズ
7 「連隊の娘」より カドリーユ 作曲:ドニゼッティ
8 婚礼のポルカ 作曲:ダンベール
カドリーユとは4組の男女のカップルがスクエアになって踊る歴史的ダンスのことです。
フランスの舞踏会などで列になって踊るダンスの先駆けなのだそうです。
17世紀の4人の騎手が馬とともに四角い形をした隊列を作って演じる軍事パレードが人気となり、18世紀に馬無しのダンスとして紹介されフランスに渡ります。
19世紀になると上流階級に広まって流行のダンスとなり、1816年には多くの人がカドリールを踊れるようになっていたそうです。
カドリーユは5パートのフィガーから構成されています。
ちなみにフィガーとはいくつかのステップを連続させたものをいいます。
1.Le Pantalon(パンタロン、つまりズボン) - 2/4拍子または6/8拍子。 「ABACA」
2.L'?t?(夏) - 2/4拍子。「ABBA」
3.La Poule(雌鶏) - 6/8拍子。「ABACABA」
4.La Pastourelle(羊飼いの少女) - 2/4拍子。「ABCBA」
5.Finale(終わり) - 2/4拍子。「AABBAA」
その後、カドリーユはオーストリアやドイツにも広まり、ヨーゼフ・ランナーやシュトラウス一家もカドリーユを作曲しました。
このオルゴールに収録されているロイヤル イングリッシュ カドリーユはジュリアン作曲のものです。
Louis-Antoine Jullien
今回はシリンダー一台全部を録画してアップしてみました。
ネットで調べていたら、全6曲入りで5曲がこのカドリーユというオルゴールも作られていたようです。