3月の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。
演奏曲目
- 自動ピアノ
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
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スタインウェイ・デュオ・アート | 歌曲集「リーダークライス」作品39 第12曲 春の夜 | シューマン | シューラ・チェルカスキー |
- ディスク・オルゴール
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
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ステラ・オーケストラルグランド | 「ユグノー教徒」より ラタプラン | マイアベーア |
レジーナ フォン | 別れの曲 | ショパン |
ミラ No.167(12inch) | 「ウィリアム・テル」より 祈り | ロッシーニ |
シンフォニオン・エロイカ | 「プレチオーザ」より 合唱とバレエ | ウェーバー |
ロッホマン | 双頭の鷲の旗の下に | フランツ ワーグナー |
アメリカ・シンフォニオン | 美しく青きドナウに | シュトラウス2世 |
ステラ・テーブルタイプ | 春の歌 | メンデルスゾーン |
ミラ No.197(18 1/2 inch) | 蛍の光 | スコットランド民謡 |
ポリフォン Style105 | 『カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲 | マスカーニ |
レジーナ オートチェンジャー | (随時) |
「春」「卒業」「別れ」をイメージした曲や、ワルツ、マーチ、オペラなど、3月もバリエーションに富んだプログラムでお楽しみください。
ピアノで演奏する『春の夜』は「リーダークライス作品39」の最後の曲にあたる第12曲めの歌曲です。
リーダークライス(Liederkreis)は連作歌曲と訳されますが、シューマンの作品の場合はそのまま「リーダークライス」と呼ばれます。
作品39は詩人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの、自然のなかで愛や苦悩、憧憬や心の静寂を描いた詩に曲をつけたものです。
作曲は1840年、それまでピアノ曲ばかりを作曲してきたシューマンが、愛するクララとの結婚をきっかけに、歌曲の作曲に熱中した年です。
約1年で、「ミルテの花」「詩人の恋」「リーダークライス作品24&39」「女の愛と生涯」などを続々と作曲したので、1840年は「歌の年」と呼ばれています。
最後の『春の夜』は森の鳥たちが「あの人はあなたのもの」と恋の成就をささやき予言するという歌詞です。
このロマンチックで穏やかな『春の夜』に「ピアノの魔術師」とよばれたリストが編曲したのが今回の演奏曲です。
リストが編曲するピアノ曲は、独自の展開や豪華な装飾を加えたりして、素朴な曲が華麗なピアノ曲へと変化する場合があります。
『春の夜』も1分半ほどの原曲を倍以上の長さに拡大してドラマティックな世界を創り上げています。
この曲を若き日のシューラ チェルカスキーが演奏します。
20世紀最後のヴィルトゥオーゾ*1のひとりで「音の魔術師」と呼ばれたシューラ・ チェルカスキーどのように弾きこなすのか、お楽しみに。
2月にはピアノで演奏したメンデルスゾーンの「無言歌集」の曲。3月はこの『無言歌集』の中でも最も有名な曲、第5集の6曲目にあたる「春の歌」をオルゴールでお楽しみ下さい。
この歌のタイトルはメンデルスゾーン自身がつけたのではなく、楽譜の冒頭に「春の歌のように」という発想標語があるためにつけられたのだそうです。
余談ですがこの『発想標語』とは、どんなふうに演奏して欲しいかイメージを伝える標語です。
カンタービレも「歌うように」という意味の『発想標語』で、「「のだめカンタービレ」で有名になりました。
「春の歌のように」みたいに、ちょっと不思議な『発想標語』を捜してみました。
アジタート(せきこんで)、(コン・ウモーレ)滑稽さをもって、(デリランテ) 錯乱して、(ドローエント) 脅すような、(アンポルテ) 我を忘れて、(エロイカ)英雄のような、 (ラクリモーソ) 涙ながらに、(シュマイヘルント) 猫なで声で、(ウンゲドゥルディヒ) いらいらして、(ヴェローチェ) 迅速に
オペラ「ユグノー教徒」のラタプラン。
実はドニゼッティの「連隊の娘」や、ヴェルディの「運命の力」にも「ラタプラン」というタイトルの曲があります。
ラタプラン(rataplan)とは「太鼓を打つ音」という意味です。
どのラタプランもタッタラタって太鼓を打ち鳴らすようなイメージの部分があって、「おっラタプラン」って思ったりします。
Cover to piano-vocal score of Giacomo Meyerbeer's opera Les Huguenots, first performed 29 February 1836. Publisher: Benoit aîné, Paris
ホール演奏の最後は「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲。
当時から多くのディスクに収録された人気の曲です。
不倫のもつれから決闘、殺人に至るドロドロのあらすじからは想像もできない美しい曲で、現代でも人気の曲を選びました。
Pietro Mascagni's "Cavalleria Rusticana" libretto cover from 1906
その他、シリンダー・オルゴールやストリート・オルガンの演奏、オートマタの実演もございます。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
*1: ヴィルトゥオーゾ:演奏の格別な技巧や能力によって完成の域に達した、超一流の演奏家を意味する言葉