テーブルタイプでは珍しいコインを入れると演奏するオルゴールです。
アメリカのシンフォニオン社が製作しました。
通常コインで動くものは縦型の大きなものが多く、お店に置いても見栄えが良いようになっているのですが・・・。
小さな狭いお店用に作られたのでしょうか?
このオルゴールの上蓋を開けると、蓋の裏に何やら印刷された紙が貼ってあります。
そこには以下のことが書かれています。
- 5セントを投入してください。
- このシンフォニオンは、取り替え用のメタルシートにより5000曲以上を演奏出来ます。
- コインオペレートがついていない家庭用のものは『W.J. Dyer & Bro., St. Paul, Minn.』で販売しています。
- 使用方法(音楽ディスクの交換について) 機械上のバーを持ち上げる。センターピンにチューンシートをあわせる。ホルダーを下げ、しっかりとその位置に固定されているかを確認する。
- 注意:櫛歯や機械には触れないように!
どうやらこのオルゴールは家庭用のテーブルタイプを販売するために宣伝用として作られたようです。
印刷部分のオルゴールの販売店のところは空白になっています。
各販売店は、手書きで自分のお店の名前を書いて、人気のお店にオルゴールを置いてもらっていたのでしょうか。
テレビなどの無い時代、今まで見たことのないオルゴールを売るための、まさに実演販売ですね。
このオルゴールには『W.J. Dyer & Bro., St. Paul, Minn』という店名が書かれています。
実はこのお店、ネットで検索したら出てきました。
アメリカ、ミネソタ州ミネアポリス、セントポールにある楽器小売店だそうです。
1855-1868年にボストンで開業し、1869-1882年にミネソタ州のマンケートに、1882年にセントポールに移りDyer & Howardと改名。
1885年にはW.H. Dyer and Broと改名し、1941年まで営業していた。という記録もありました。
当時のお店の風景の写真もあったのですが、著作権があるようなので、掲載されたサイトをご紹介します。
100年前のオルゴールがどんなお店で売られていたのかが良く分る楽しい発見でした。
『W.J. Dyer & Bro., St. Paul, Minn』写真 新しいウィンドウで開きます。