江戸時代末期、オランダから日本にストリート・オルガンが渡ってきました。
ストリート・オルガンとは中型の手廻し式の自動演奏オルガンで、本体に取り付けられたハンドルをまわすことで、オルガンを自動で演奏できる機械のことです。
道端など屋外で演奏していたためにこのような名前がつきました。
なお、大型のオルガンはフェアグランドオルガンやダンスオルガンと呼ばれます。
ドラムやシンバル、シロフォンなど他の楽器が取り付けられ、より豪華な演奏を楽しめる装置となります。
一方小型のオルガンはオルガニートと呼ばれ、一般大衆向けに販売されました。
今回ご紹介するストリートオルガンは、現在演奏会コースでご紹介しております「バチガルポ」という機種です。
バチガルポは1900年代にドイツ・バチガルポ社で製造されたストリート・オルガンです。
こうしたオルガンは大変大きな音がするため、客寄せなどに用いられました。
中を覗くと、大きな筒が入っています。
木製の筒(=バレル)には短音用のピンと、ホッチキスの針のような形をした長音用のピン(=ブリッジ)が打ち込まれています。
このピンの形が重要で、長音用のピンは長く音を出すためにホッチキスの針のような形をしています。
ピンが長いとレバーも長く押し上げられ、それに連動したパイプへ長い時間空気が流れて、音も長く発音されるという仕組みです。
ストリートオルガンは音が大きい為驚かれてしまうこともありますが、しかしその音圧を、ぜひご来館していただき体験していただければと思います。