6階常設展示室の奥にストリート・オルガンがたくさん並んでいますが、その中にロシア製のオルガンがあります。普段の演奏では使っていないのですが、久しぶりに鳴らしてみました。
このストリート・オルガンはロシアのオデッサにあったネチューダという工房で作られました。装飾が独特で、特にケースの象嵌が素晴らしいです。上面には珍しいお城のような建物、側面は竪琴を持った女性(女神のよう)、そして背面は6人の裸婦です。
側面には6本のストップが付いていて、出し入れすることにより音色や音量が変わります。
上蓋の裏にはチューンシートがあり、曲目などが書かれているのですが、文字がかすれている上にロシア語なのでどんな曲が入っているのかよくわかりませんでした。
先月、ロシア語のわかるお客様がご来館され、チューンシートを訳していただきました。8曲の中にはロシアの曲の他、オペレッタ『ルクセンブルグ伯爵』やマーチ『旧友』も入っていました。
旧友なら知っていると演奏してみたのですが、オルガンの調子が良くないようで曲になっていませんでした。これは修理してもらわないと。(こうして工房スタッフの仕事は増えていきます。)
ロシア語で『土曜日』というタイトルの曲はいかにもロシアの雰囲気が漂うメロディーで、ストリート・オルガンでこんな曲が聴けるとは思ってもいませんでした。いずれメンテナンスが終わったら皆様にも聴いていただきたいです。