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9月11日よりオートマタ展開催

9月11日より「妙技!オートマタ(からくり人形)展」が開催されます。

ファイル 515-1.gif 2011年のオートマタ展

ゼンマイを巻きスイッチを入れれば、命が宿り動き出す人形達。
100年の時を経て現代も動き続けるオートマタは、圧倒的な力で私たちを魅了します。
展示するのは19世紀後半から20世紀初頭に活躍したオートマタ。
産業革命の影響を受け、めまぐるしく移り変わるこの時代に誕生したオートマタは、「黄金時代のオートマタ」と呼ばれ、珍重されています。

オートマタ展まで後1週間。
そろそろ準備も整いつつあります。

企画展に展示する展示品はまずテーマを決め、その後100分の1の図面に描きながら決定します。

ファイル 515-2.gif オートマタ展の検討図面

その後、解説、キャプションを準備して、展示替えを行います。

プレスリリースでは実演25体としていますが、どんどん欲張りになり、今のところ図面の緑の部分(約30体)を実演する予定です。
また、ピンクの部分のケースに飾るものもあわせると37体のオートマタを展示予定です。

世界中捜してもアンティークのオートマタを、一度にこんなに多く実演するところは他には無いと思います。
(王室とか大スターとかの来館など特別なことが無い限りは・・・)
毎年、見所がいっぱいすぎて、何を見て良いのか分らなくなっちゃったというお客様も多いので、今年はオートマタ展に先駆けて、出演予定のオートマタを先に少しご紹介してみようと思います。

まずは・・・・

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1895年頃にフランスのルレ・エ・ドゥカン工房で作られたキュイジニエ(料理人)。
料理人の格好には見えないのですが、当時のカタログには同じ絵でキュイジニエというタイトルがつけられています。
キュイジニエはお辞儀の代わりに、ウォーミングパン(アンカ)とトングをあたかもヴァイオリンのように持って演奏します。
舌を出したり引っ込めたり、帽子も動きます。
ビスクヘッドは著名な人形師ジュモーの作品です。

最初の部分はオールドフィルムのように加工してあります。(意外と見にくかった)すぐに見やすい普通の映像になります。

来年5月に閉館予定のため、これが最後のオートマタ展となります。
最後の機会に是非! おすすめです。

ヴィクトリア シアターを予習

100年前の暮らしのひとときを飾ったオルゴールをご紹介している企画展「暮らしのなかのオルゴール展」。

そこで演奏しているヴィクトリア・シアター。

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コインを入れると劇場のように幕が上がり、3人の人形が踊る小さなショーを楽しめます。
1880年代にスイスのカンデ社により作られました。
3曲演奏すると幕が下がり、小さなショーは終了します。

幕が上がっている間に見なければならないところがいっぱいあるので、ちょっと下調べをしてみてはいかがでしょうか?

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まず3人の人形達。顔、髪型、衣装が異なります。
クルクル回転する3人を見分けるのは大変ですが、3人ともとっても美人です。
ちゃんと靴をはいた足が付いています。
この足が実は人形が回転するための重要な役割を担っているのです。
人形の下の板が人形を上下に動かしているのですが、足が錘の役割をして、上下運動を回転運動に変換するのです。
足を取ってしまうと全く回転しません。(実験済み!)
細かなところまで工夫された人形達をご覧下さい。
 
 
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ケースの横壁には曲目を表すチューンシートが付いています。
このチューンシートからカンデ社のものと推測されます。
全部で8曲入りのこのオルゴールの曲名が書かれています。
イザベラ 、自由の鐘、運命的結婚、かわいいマリー、スカート・ダンス、小さな迷子、オールヴォワール、なんてパールは可愛い子。
 
 
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また、このオルゴールにはベルが3個ついています。
ベルを叩く蜂のストライカーにもご注目ください。
ベルの横には何曲目を演奏しているのかを示すインジケータがあります。

それではショータイムの始まりです。

企画展は博物館コースでご見学いただけます。

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暮らしのなかのオルゴール展 スタート

今日から『暮らしのなかのオルゴール展』(~9月8日(土))が始まりました。

聴くものを唸らせる素晴らしい演奏のオルゴールから、家庭で親しまれた小物まで、100年程前に愛用された様々なオルゴールをスタッフがご紹介します。

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街では、コインを入れると演奏するオルゴール。
パブやホテルのロビーなどで多くの人に演奏を披露していました。
中には幕があがり人形達が踊りだすオルゴールも登場し、駅の待合室や パーラーなどに置かれていました。

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からくり人形は商品のPRのためにお店のショーケースにおかれることも。
香水をかぐ少女はどんなお店のショーケースで活躍していたのでしょうか?

家庭では オルゴールがアルバムや裁縫箱などに組み込まれ、生活に潤いを与えていました。

座るとオルゴールが鳴りだす椅子は、多くの人を驚かせたことでしょう。

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100年前、暮らしのなかでどのようにオルゴール達が活躍していたか?
実際の演奏とともにお楽しみください。

皆様のご来館をお待ちしております。

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体験のストリート・オルガン

火曜日(5月15日)からの企画展が新しく始まったため、体験できるストリート・オルガンも入れ替えました。
今回のオルガンはタンゴ8曲入です。
博物館が1987年に注文して、一年後ようやく完成し博物館に届いた逸品です。

ファイル 469-1.gif クルトバウム88

中のバレルが重く演奏するのに力が必要ですが、是非挑戦してください。

博物館オリジナルCD「ストリートオルガン・フェスティバル」にも収録されています。

体験型の企画展 スタート

今週から『体験型!ディスク・オルゴール展』(~7月14日(土))が始まりました。

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見て、聴いて、触って、鳴らして、体験する企画展です。
用意したディスクの中からお好みの曲をリクエストし、 リクエストした曲をご自分でセットして、演奏を楽しむことができます。
博物館を楽しむグッズでは、操作のための手袋をお渡しします。

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まさにディスク・オルゴールが最盛期だった100年前の人々と同じ体験をし、当時と変わらぬ音楽を楽しむユニークな企画展です。

ご来館をお待ちしております。

今日から企画展が変わりました。

開催中の企画展は「明治期に渡来した西洋音楽を聴く展」「です。
(2012年3月13日(火)~5月12日(土))

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明治時代といえば、オルゴールの最盛期。
明治時代に日本で歌われ、聞かれていた西洋の曲を、当時のオルゴールや自動オルガンで紹介します。

演奏する曲は、和名が付けられ唱歌として歌われた「うつくしき」「才女」「誠は人の道」など、当時は変わったタイトルがつけられていましたが、現代ではお馴染みの曲。
その他、鹿鳴館で演奏されていた曲や、当時上演されたオペラの曲など。

日本人が最初に触れた西洋音楽を、当時歌われた歌詞と照らし合わせながら、お楽しみ下さい。
 
 
ファイル 447-2.gif   ファイル 447-3.gif

 
また、篠田桃紅のリトグラフなど6点を展示しています。
オルゴールの演奏とともにお楽しみ下さい。
 

 
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強弱をつけて演奏するオルゴール

博物館コースで見学できる「技あり!シリンダー・オルゴール展」で公開中のシリンダー・オルゴールの紹介です。

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オルゴールは金属の棒を弾いて音を出します。
通常のオルゴールでは同じ歯から出る音は、みな同じボリュームです。
音楽を演奏するのに強弱が付けられないのでは、あまり面白くありません。
そこで1840年頃にフォルテ(大きな音)用の太くて大きな櫛歯と、ピアノ(小さな音)用の細くて小さな櫛歯を持ったオルゴール作られるようになりました。
大きな音と小さな音を2つの櫛歯で弾きわけることで、強弱をつけて演奏します。

企画展では3番目に登場するオルゴールです。

ファイル 434-1.gif ルクルト・ピアノフォルテ 1850年代 スイス ルクルト・フレール
 
 
なかなか良いアイデアです。
2枚の櫛歯が、交互に鳴って強弱のある表現豊かな演奏を披露してくれます。

しかし、同じ頃に櫛歯を2枚使わず、1枚だけで強弱をつけて演奏するオルゴールがありました。
 
ファイル 434-3.gif エクスプレッシヴ シリンダー 1840年頃 スイス ルクルト&グランジェ
 
 
櫛歯は1枚しかないのに、微妙な強弱を付けて演奏します。

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どうやってそれを可能にしているかとゆうと、シリンダーに植えられたピンの角度です。

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1本1本が異なった角度で植えられています。
この角度が異なることで、櫛歯を弾く量が異なるために、音量が変わります。
シリンダーに対し直角に近ければ、櫛歯を大きく弾くために大きな音となるのです。
2枚櫛歯のピアノフォルテより優れた点は、1音毎に微妙な強弱の差を表現できるのです。
そこでエクスプレッシヴ(表現豊かな)という名が付けられたのでしょう。

何千本も植わったどのピンがどの音に対応すると分かるのでしょうか?
このオルゴールは8曲入りのオルゴールなのです。
気の遠くなるような作業の末に生み出された奇跡の音。
それが約170年後の現在でも残っていて、演奏を聴けるなんて・・・。
(ピンが曲がっているために、メンテナンスが困難で、きちんと演奏できるこの手のオルゴールはとても珍しいとのことです。)

博物館を楽しむグッズはカードルーペです。
エクスプレッシヴは必見!必聴!?です。

今日からスタート

博物館は今日からスタートです。

新年早々の企画は「技あり!シリンダー・オルゴール展」です。

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オルゴール演奏の限界に挑んだ、職人たちの技が光るシリンダー・オルゴールを展示、演奏します。

性能の異なる2枚の櫛歯を備えて強弱をつけて演奏するオルゴール。
同じ音の歯を複数本用意して長音を表現するオルゴール。
シリンダーを2つに分けて異なる制御をして長時間演奏を可能にしたオルゴール。
とても個性的な12台のオルゴールたちが登場します。
スタッフがそれぞれどんな演奏が得意なのかをご説明しながら披露します。

演奏する機種と曲目をご紹介します。

機種名製作年製作国メーカー曲目作曲者名
シリンダー・ボックス1865年頃スイスニコール・フレールエジンバラの花スコットランド古謡
オーヴァチュア・ボックス1880年頃スイスニコール・フレール「ファウスト」より 序曲グノー
ピアノフォルテ・ボックス1850年代スイスルクルト・フレール「ドン・ジョバンニ」より 手をとりあってモーツァルト
エクスプレッシヴ・シリンダー1840年頃スイスルクルト・グランジェ「秘密の結婚」より 序曲チマローザ
ピッコロ・シリンダー1880年頃スイス***
サブライム・ハーモニー コンサート・ピッコロ1880年代スイスラングドルフ「タンホイザー」より 序曲ワーグナー
ボワセレステ・オーケストラル1880年代スイスペイラード「ウィリアム・テル」より 祈りロッシーニ
マンドリン・シリンダー1870年代スイスブレモンド「ラーリーン」より 我が祈りを聞き給えウォレス
ディヴァイン・ハーモニー・トレモロ1880年頃スイスペイラード「シャモニーのリンダ」より 二重唱ドニゼッティ
バリトン・ハーモニクス1890年代スイスジュノー「ノルマ」より 聞き給えノルマベッリーニ
ビュッフェスタイル・チター付き1880年代スイスラングドルフウィーン気質シュトラウス2世
プレロディニーク・サブライム・ハーモニー1890年頃スイスペイラード「王冠のダイヤモンド」より 序曲オベール

一台ずつの詳しいご説明はおいおいご紹介していきます。
他の博物館ではなかなか聞けないシリンダー・オルゴール三昧。
おすすめです。

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オルゴールのクリスマス展&シャガールのバイブル緊急公開

今週の15日火曜日から『オルゴールのクリスマス展』(~12月15日(木))が始まりました。

今回の企画展では急遽シャガールのバイブルシリーズの銅版画を7点お借りすることができましたので、緊急公開しています。
20世紀を代表する画家のひとりマルク・シャガールが「旧約聖書」を題材にして描いた「バイブル」を、アンティーク・オルゴールとともに、ゆっくりとお楽しみください。

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(展示中の「バイブル」はお買い求めいただけます。
博物館でご予約を承り、販売、お引き渡しは2012年1月となります。
お値段などの詳しいことはこちらをクリックしてご覧下さい。)

博物館6階の企画展示室には、クリスマスにちなんだオルゴールが並んでいます。
クリスマスツリーを回転させるオルゴールや、サンタのオートマタ、当時クリスマス・プレゼントで使われたであろうミュージカル・ノベルティの数々を実演しています。

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また、常設展示室には大きなクリスマスツリーとリースを飾り、19世紀に活躍した大型のオルゴールで当時のキャロルを演奏しています。

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『オルゴールのクリスマス展』は博物館コースでご見学いただけます。
コースの最後は5階のカフェでお茶を飲みながら自動演奏のピアノをお聞きいただいています。
アンティーク家具やオルゴールに囲まれて、ゆっくりとティータイムをお過ごしください。

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2012年企画展の年間予定が決まりました。

2012年の企画展、年間予定が決まりました。

ファイル 410-1.gif 企画展示室

月日が経つのは早いもので、もう来年の企画展を決定しなければならない時期になりました。

オルゴールは様々な魅力を持っています。
どうしたらその魅力をお伝えできるのか、企画展を考えること難しく毎年悩みの種です。
ただなんとなく演奏を聴くだけでも楽しいのですが、その仕組みや、歴史、また時代背景までもお伝えできたら、もっともっとオルゴールの魅力をお伝えできるのではと考えています。
来年もさまざまな角度から、オルゴールの魅力をご紹介できるように、知恵を絞って考えた企画展です。

明治時代に唱歌として歌われた西洋音楽とか、暮らしの中で活躍したオルゴールなど、ちょっと変わった企画展も開催します。是非是非、皆様足をお運び下さいませ。

企画展では1年毎にスタンプラリーを開催しています。スタンプが貯まるとCDやクリスマスコンサートのチケットなどと交換できます。いろんな企画展に参加してスタンプラリーにも是非来年チャレンジしてみてください。

博物館で配る2012年企画展の年間予定表は只今印刷中です。来週中からお渡しすることができそうです。

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