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7月 演奏会コースの曲目(19日~)

7月19日から、演奏会コースの自動ピアノの曲目が夏休みヴァージョンに変更となります。
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  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート熊蜂の飛行リムスキー=コルサコフラフマニノフ,セルゲイ

『熊蜂の飛行』を作曲したのはロシアの作曲家リムスキー=コルサコフです。
 ファイル 383-2.gif ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908)

この曲はオペラ『皇帝サルタンの物語』の第3幕で使われています。
熊蜂の飛行の様子を、高速で駆け巡る音符で巧みに表現していておもしろいです。
ピアノやヴァイオリン用に編曲されて単独で演奏されることも多く、また曲調もわかりやすいので広く親しまれています。

演奏しているのは同じくロシアの作曲家でありピアニストのラフマニノフです。
 ファイル 383-3.gif セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)
 

7月中のディスク曲はかわらず、以下の通りです。

  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプ「子供の情景」より トロイメライシューマン
ミラ・エンプレスてく てく てくアメリカ民謡
ポリフォン Style105「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲マスカーニ
ステラ・オーケストラルグランド「セビリヤの理髪師」より ロジーナのカヴァティーナロッシーニ
シンフォニオン・エロイカ埴生の宿ビショップ
アメリカ・シンフォニオンニューヨークの歩道ロウラー
レジーナフォン口笛吹きと小犬プライヤー
ロッホマン波涛を越えてローザス
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

『夜のガスパール』 続き

6月23日のブログでご紹介したピアノ曲、『夜のガスパール』についての続きです。

『夜のガスパール』3曲はそれぞれ別の人に献呈されています。
第1曲『オンディーヌ』はハロルド・バウアー(Harold bauer)、
第2曲『絞首台』はジャン・マルノール(Jean Marnold)、
第3曲『スカルボ』はルドルフ・ガンツ(Rudolph Ganz)です。

この3人のうち、バウアーとガンツは自動ピアノでよく登場するピアニストなので、私たちにも馴染みがあります。
 ファイル 384-1.gif ハロルド・バウアー(1873~1951)(Wikipediaより)

 ファイル 384-2.gif ルドルフ・ガンツ(1877~1972)(Wikipediaより)

彼らに献呈していたと知り、作曲者と曲とピアニストがぐっと近くなったような気がしました。

バウアーやガンツがこの曲の演奏を残しているのではないかと調べたのですが、残念ながら見つかりませんでした。
デュオ・アートだけでなく、他のリプロデューシング・ピアノ「ウェルテ・ミニヨン」と「アンピコ」も調べてみたのですが見つかりません。
献呈された人が演奏し、ロールにはピアニストと作曲者の両方のサインを入れ、作曲者のコメントなどもつけたらおもしろかったのに。
 
 
もう一つ興味深い話は初演についてです。

1901年に『夜のガスパール』を初演したのはリカルド・ビニェスです。
彼は他にもラヴェルの曲を多く初演しています。
また、作曲のきっかけとなったベルトランの詩集をラヴェルに紹介したのもビニェスでした。

しかし、ラヴェルはビニェスが演奏した『夜のガスパール』をあまり快く思わなかったようで、特に第2曲はラヴェルの意図に反した演奏で、弾いたビニェス自身も退屈に感じていたそうです。
これを境にビニェスがラヴェルの曲を演奏する機会は少なくなっていきました。
感情的なことだけでなく、ラヴェルの作風がビニェスに合わなくなってきたことも原因のようです。

そこで今回の演奏です。
 ファイル 384-3.gif ピアノロールのラベル
曲目の下に「Played by the Composer」とあります。作曲者が演奏した、つまり弾いているのはラヴェル本人ということです。
きっと彼がイメージした演奏が聴けるのでしょう。

作曲者本人の演奏が聴けるのは貴重な機会です。
感じ方は人それぞれとは思いますが、皆様はどのような印象をお持ちになるでしょうか。

7月 演奏会コースの曲目(~16日)

7月1日から7月16日までの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

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  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート「夜のガスパール」より 第2曲ラヴェル,モーリスラヴェル,モーリス
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプ「子供の情景」より トロイメライシューマン
ミラ・エンプレスてく てく てくアメリカ民謡
ポリフォン Style105「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲マスカーニ
ステラ・オーケストラルグランド「セビリヤの理髪師」より ロジーナのカヴァティーナロッシーニ
シンフォニオン・エロイカ埴生の宿ビショップ
アメリカ・シンフォニオンニューヨークの歩道ロウラー
レジーナフォン口笛吹きと小犬プライヤー
ロッホマン波涛を越えてローザス
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

7月前半のピアノ曲はラヴェル作曲の『夜のガスパール』です。
ラヴェルはフランスの作曲家で、『ボレロ』や『亡き王女のためのパヴァーヌ』などの曲が知られています。
 ファイル 382-1.gif モーリス・ラヴェル(1875~1937)(Wikipediaより)

『夜のガスパール』は3曲からなるピアノ曲で、フランスの詩人アロイジウス・ベルトランの詩集『夜のガスパール』の中の3篇『オンディーヌ(水の精)』『絞首台』『スカルボ』をイメージして書かれました。
 ファイル 382-2.gif 『夜のガスパール』初版本)(Wikipediaより)

第2曲は『絞首台』。
実はピアノのロールには『夜のガスパール』としか書かれていなかったので、『絞首台』というタイトルとは調べてみるまで知りませんでした。
試聴した時はとてもゆっくりとして重々しく、何とも不気味な感じがしたものです。『絞首台』と聞いてなるほどそんな感じを表現しているようでもあります。
全編を通して同じ音(変ロ音のオクターヴ)が鳴り続けていますが、これは鐘の音を表しているそうです。
 

この曲の元になった詩をご紹介いたします。
 
ベルトラン作 『夜のガスパール』より『絞首台』(吉田恵美訳)

ああ! 我が耳に聞こえる、あれは金きり声を上げる夜の北風か、
いや、死人が絞首台の上でつくため息か?

絞首台の木の幹に靴のごとく
慈悲深くあしらわれた実をつけぬ木づたや
コケの間にひそんで鳴くこおろぎか?

何も聞こえはせぬ死人の耳もとで
狩りの角笛をとどろかす飢えたハエか?

不規則な羽音をたてて飛び回り、
死人のはげ頭のところで血のついた毛一本摘むからの硬い虫か?

はたまた締め付けられた首もとにネクタイをと
半オーヌ*1のモスリンを刺繍する蜘蛛か?

それははるか地平線の下、村の壁に鳴り響く鐘、
そして沈みゆく太陽が真っ赤に照らす 絞首刑の屍  
 
   
この詩をピアノで表現すると一体どんな世界になるのか、興味がわいてきませんか?

『夜のガスパール』については他にもご紹介したいお話があるのですが、長くなるので次回へ続きます。
 
 
夏休み前の2週間限定の演奏です。
いつもとはちょっと違った雰囲気のピアノ曲をぜひお聴きください。

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

*1:オーヌ:フランス、ベルギー、スイスなどで使われていた旧単位で、主に布を測るのに使われていた。1オーヌ=約1.182m

6月の演奏会コース

6月の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

 ファイル 374-1.gif 音楽ホール

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート水の反映ドビュッシーコープランド・ジョージ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプサンタ・ルチアイタリア民謡
ミラ・エンプレスセレナーデグノー
ポリフォン Style105「軽騎兵」より 序曲スッペ
アメリカ・シンフォニオンミニヨンモーリー
シンフォニオン・エロイカ「ローエングリン」より 婚礼の合唱ワーグナー
レジーナフォンラデツキー行進曲シュトラウス
ポリフォン Style104「ヘンゼルとグレーテル」より 私と踊りましょうフンパーディング
エーデルワイス学生たちのつの笛スコットランド民謡
ポリフォン・ オートチェンジャー(随時) 

 
ラデツキー行進曲、サンタルチア、婚礼の合唱など、皆様よくご存知の曲の他、
ヘンゼルとグレーテルや軽騎兵など、タイトルは知らなくてもメロディーは聴き覚えがある曲などを演奏いたします。
 
 
自動ピアノで演奏するドビュッシーの『水の反映』は、『映像』第1集の第1曲で1905年に作曲されました。

演奏しているジョージ・コープランド(1882~1971 アメリカ)はアメリカやヨーロッパで広く演奏活動を行い、同時代のフランスやスペインの作曲家の作品を専門としていました。
特に個人的交遊があったドビュッシーの演奏家として知られていました。
 ファイル 374-2.gif (DUO-ART PIANO MUSICより)
 
 
その他、シリンダー・オルゴール、ストリート・オルガンの演奏やオートマタの実演もございます。
 ファイル 374-4.gif ファイル 374-5.gif
 
 
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

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演奏会コース 展示品入れ替え

演奏会コースでご紹介する展示品のうち、シリンダー・オルゴール、オートマタ、自動オルガンを入れ替えました。
 ファイル 370-1.gif

自動オルガンはいつも2台演奏していますが、今回は年代や仕組みなどが対照的な2台です。左側がモンキー・オルガン、右側がニコ・ヴァン・デューレンです。
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モンキー・オルガンは1910年頃のイギリス製で、ソフトにはバレル(木製の筒)を使用しています。
1本のバレルに7曲入っており、シリンダー・オルゴールのシリンダーのように横にずらして曲を替えます。
音源はリード(31枚)なので音のイメージはアコーディオンやハーモニカに近いです。
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ニコ・ヴァン・デューレンは現代のオランダ製ですが、18世紀のフレーテンウーア(笛時計(音楽時計))の楽器部分を復元したオルガンです。
ソフトは当時バレルを使用していましたが、これはロールを使用しています。1本のロールは1曲入りで、交換して様々な曲を演奏できます。
音源は前面に並んでいる木製のパイプ22本で、ストリート・オルガンのような迫力ある音ではなく、可愛らしい小型パイプオルガンの音色です。
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どちらも手廻しで演奏します。仕組みや音色の違いをお楽しみください。
 
 
5月の演奏会コースのプログラムについては4月27日のブログ記事をご覧ください。
ブログ記事へ  新しいウィンドウで開きます。
 
 
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

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5月の演奏会コース

あさってからゴールデンウィークが始まります。
オルゴールの小さな博物館は5月1日と2日が休館日で、それ以外は通常通り営業いたします。
 
 
5月3日からの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートラ・カンパネラリストフリードマン,イグナス
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプフニクリ・フニクラデンツァ
ミラ・エンプレス「ロミオとジュリエット」より グランド・ワルツグノー
ポリフォン Style105「ドロシー」より みどりの岸辺セリアー
ステラ・オーケストラルグランドフラワー・ポルカツィーラー
シンフォニオン・エロイカスターバト・マーテルロッシーニ
アメリカ・シンフォニオン舞踏への勧誘ウェーバー
レジーナフォンドナウ川のさざ波イヴァノヴィッチ
ロッホマン黒き汝が瞳ハインズ
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

 
スタッフお勧めの1曲はポリフォンStyle105で演奏する「ドロシー」よりみどりの岸辺です。
「ドロシー」はイギリスの作曲家アルフレッド・セリアーが作曲し、1886年にロンドンで初演されたコミック・オペラです。
  ファイル 362-1.gif  Alfred Cellier(1844-1891) Wikipediaより

原題はクイーン・オブ・マイ・ハート(Queen of my Heart)。劇中ではシャーウッド(バリトン)が歌うバラードです。
ヒロインのドロシーを思って歌うのでしょうか。
  ファイル 362-2.gif  
ロンドン公演時のキャスト。ハイデン・コフィン(ハリー・シャーウッド役)とマリー・テンペスト(ドロシー役)
Hayden Coffin as Harry Sherwood & Marie Tempest as Dorothy Bantam(Wikipediaより)

歌うように流れる旋律をオルゴールでは見事なアレンジで表現しています。
  ファイル 362-3.gif Wikipediaより
  
 
自動ピアノではリスト作曲の「ラ・カンパネラ」をフリードマンの演奏でお聴きいただきます。
  ファイル 362-4.gif  フリードマン,イグナス(1882-1948 ポーランド) Wikipediaより

今年はリスト生誕200年です。1月の「愛の夢」に続く第2弾として、彼の代表作であり、今なお大人気の曲「ラ・カンパネラ」をどうぞお楽しみください。
 
 
その他、シリンダー・オルゴール、ストリート・オルガンの演奏やオートマタの実演もございます。
  ファイル 362-5.gif

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

シューマンとリストの『春の夜』

今日から3月ですね。まだまだ寒く、気温の変化も激しい季節の変わり目です。お身体ご自愛くださいませ。
 
ファイル 327-1.gif 演奏会コースの会場 1階 音楽ホール

さて、2月23日のブログでお知らせしたとおり、今日から演奏会コースの曲目が変わりました。

ファイル 327-2.gif スタインウェイ デュオ・アート 1920年代 アメリカ エオリアン社

今月の自動演奏ピアノ*1は、シューマン作曲 リスト編曲の『春の夜』をシューラ チェルカスキーの演奏でお楽しみいただきます。

『春の夜』は「リーダークライス作品39」の最後の曲にあたる第12曲めの歌曲です。
そもそもリーダークライス(Liederkreis)ってのはドイツ語で、連作歌曲*2と訳されます。
シューマンは2集のリーダークライスを作曲していて、ハイネの「歌の本 Buch der Lieder」から9編の詩を選んで作曲した作品29と、この作品39があります。

リーダークライス作品39は、1840年にシューマンが、ドイツ・ロマン派の詩人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩に曲をつけた歌曲集なのです。

ファイル 327-3.gif Robert and Clara Schumann 1847

1840年といえば、それまでピアノ曲ばかりを作曲してきたシューマンですが、愛するクララとの結婚をきっかけに、歌曲の作曲に熱中しちゃった年です。
わずか1年ぐらいで、「ミルテの花」「詩人の恋」「リーダークライス作品24&39」「女の愛と生涯」などを続々と作曲したので「歌の年」とも呼ばれています。
恋すりゃ素敵な詩に感銘を受けるし、歌いたくもなっちゃうって感じでしょうか?
『春の夜』も歌曲ですから、歌詞があります。ネットから捜してきました。

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花園の上の空をとんでゆく
渡り鳥の声を、私は聞いた、
その声は春のおとずれを告げていた、
下界では、はや花も咲きそめていた。

私は歓呼したかった、泣きたかった、
まるであり得ないことのような気がして!
古い奇蹟が、月の光とともに
いま一度地上にさしこんだのだ。

月と星はそのことを語り、
森は夢みながらそのことをつぶやき、
夜鶯もそのことを歌っている―
「あのひとはお前のもの、お前のもの」と! (訳:西野茂雄)

ファイル 327-5.gif Franz Liszt 1840 Charles Laurent Marechal (1801-1887 French) Pastel Wagner Museum, Bayreuth, Germany 

このロマンチックで穏やかな『春の夜』に「ピアノの魔術師」とよばれたリストが編曲したのが今回の演奏曲です。

リストの編曲は、原曲をピアノで弾けるように直すといった単純な編曲ではない場合が多く、独自の展開を加えたり、豪華な装飾を加えたりして、華麗なピアノ曲へかえてしまいます。
『春の夜』では1分半ほどの原曲を倍以上の長さに拡大してドラマティックな世界を創り上げてしまいました。

このロマンチックで華麗な曲を若き日のシューラ チェルカスキーが演奏します。
20世紀最後のヴィルトゥオーゾ*3のひとりで「音の魔術師」と呼ばれたシューラ・ チェルカスキーどのように弾きこなすのか?

只今演奏中です。ご来館をお待ちしております。

 
 

*1: スタインウェイ・デュオ・アート:1920年代アメリカのエオリアン社が製作した自動演奏のピアノ。紙のロールを音楽用ソフトに用い、ピアノストの演奏を再現することができるリロデューシング・ピアノのこと。
*2: 連作歌曲:各曲の間で文学的・音楽的な関連性をもって構成された歌曲集。(英語:song cycle )シューマンの作品の場合は「連作歌曲」と訳さずにそのまま「リーダークライス」と呼ぶ。
*3: ヴィルトゥオーゾ:演奏の格別な技巧や能力によって完成の域に達した、超一流の演奏家を意味する言葉

ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルー

早いものでもう2月になってしまいました。
 
ファイル 316-1.gif 演奏会コースの会場 1階 音楽ホール

1月25日のブログでお知らせしたとおり、今日から演奏会コースの曲目が変わりました。

ファイル 316-2.gif スタインウェイ デュオ・アート 1920年代 アメリカ エオリアン社

今月の自動ピアノは、ガーシュウィン自作自演ロールの演奏です。
ガーシュウィンはアメリカ音楽史における巨匠のひとりで、今日の「アメリカ音楽」を作り上げた作曲家として知られています。
演奏する「ラプソディ・イン・ブルー」は、1925年に発表されたこの曲は、ジャズとクラシックを融合させた「シンフォニックジャズ」の作品として世界的に評価されている名曲です。
いろいろなコマーシャルに使われたり、アニメ「のだめカンタービレ」でも演奏されているので、どなたでも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?

自動ピアノで再生する90年前の演奏は、古さなど微塵も感じることない、華やかでワクワクするような演奏です。

ファイル 316-3.gif ジョージ ガーシュウィン(George Gershwin 1898年-1937年)Wikipediaより

ガーシュウィンと自動演奏のピアノには、不思議な縁があるように思えます。
ガーシュウィンの成長と時を同じくするように、自動ピアノの再生能力もどんどん向上し、同時期に頂点を極めます。
ガーシュウィンは1915年頃より自動ピアノの演奏を請け負っていたようです。
無名だった最初の頃は、もちろん他人の曲の演奏をしていました。(この仕事で得た収入は、彼がハイスクールを中退し音楽家を目指したきっかけのひとつといわています。)
1919年「スワニー」のヒットで一躍有名になったガーシュウィンは、自分の曲を録音する栄誉を得るようになり、1925年に「ラプソディ・イン・ブルー」の録音を行います(27歳)。
ちょうどこの頃、自動演奏ピアノも、電気モーターを用いた吸引システムを採用したハイエンドモデルに到達していたのです。

最高の状態で後世に自分の演奏が残せると、ガーシュウィンも録音にはさぞかし頑張ったことでしょう。
単に機械が演奏しているだけなのに、その演奏はガーシュウィンの気迫、情熱が溢れでてくるようで、鳥肌が立ちます。
是非一度、皆様に聴いていただきたい一曲です。

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演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。午後1時か3時までにお越し下さいませ。
演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

2011年1月演奏会コースの曲目

あけましておめでとうございます。

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昨年も多くの方々に支えていただき、博物館も無事に一年を過ごすことが出来ました。

ありがとうございました。

2011年もオルゴールの様々な魅力をお伝えすべく頑張ります。
今年の企画展は「十人十色」をテーマにして、色々な種類の特長あふれるオルゴール、オートマタ、自動楽器演奏装置をご紹介する予定です。
また、今年も4000曲以上のソフトの中から、それぞれのオルゴールの魅力を十分に発揮できる選曲で、皆様のご来館をお待ち申し上げております。
何卒、よろしくお願いいたします。

まずは、2011年1月の演奏会コースで演奏する曲目をご紹介いたします。
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ファイル 304-4.gif 音楽ホール(演奏会コース)

演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アート愛の夢 No.3 変イ長調「おお、愛しうる限り愛せ」リストガンツ,ルドルフ
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプローレライジルヒャー
ミラ・エンプレス「椿姫」より 乾杯の歌ヴェルディ
ポリフォン Style105「ジプシー男爵」より 宝石のワルツシュトラウスⅡ
ステラ・オーケストラルグランド「ウィリアム・テル」より チロル人の合唱ロッシーニ
シンフォニオン・エロイカ「預言者」より 戴冠行進曲マイアベーア
アメリカシンフォニオン波涛を越えてローザス
レジーナフォン早春賦田中章
ロッホマン「ドルの女王」より ラインポルカファル
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

来年2011年はリスト生誕200年の記念の年です。
ファイル 304-2.gif アンリ・レーマン《フランツ・リストの肖像》1839 パリ カルナヴァレ美術館

そのため博物館でも新年一番最初のピアノ曲はリスト作曲の「愛の夢」を演奏します。
「愛の夢」は、「3つの夜想曲」という副題をもつ3曲からなるピアノ曲の第3番目です。
CMなどでも使われているので3曲の中でも特に有名な1曲です。
演奏しているのは、スイス生まれでアメリカで活躍したピアニスト、ルドルフ・ガンツです。

ファイル 304-3.gif ルドルフ・ガンツ

オルゴールの演奏は、「早春賦」など季節の曲を交えながら、「宝石のワルツ」や「乾杯の歌」など華やかな曲を中心に選曲しました。

上記以外に、シリンダー・オルゴール、ストリートオルガンの演奏、オートマタ(からくり人形)の実演がございます。
演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。午後1時か3時までにお越し下さいませ。
演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

末筆ではございますが、皆様にとりまして素晴らしい一年となりますよう、お祈り申し上げます。

コメント一覧

ちゅうさん (01/02 08:10) 編集・削除

新年明けましておめでとうございます☆

昨年に引き続き、今年も宜しくお願いいたします♪

スタンプラリー 頑張りま~す◇

企画展『オルゴールのクリスマス展』は・・・

今週から博物館コースでは、『オルゴールのクリスマス展』を開催しています。(12月16日(木)まで)

クリスマスのオルゴールやオートマタ、当時クリスマス・プレゼントで使われたであろうオルゴール付きのグッズの数々をご紹介しています。

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クリスマスツリーが飾られた台は、実はディスク・オルゴールです。
ディスクを回転する力を利用してクリスマスツリーを回転させます。
当時クリスマスツリー・スタンドとして販売されていました。
クリスマスのメロディとともにゆっったりと回るツリーは必見です。

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クリスマスツリー・スタンドは、シリンダー・オルゴールでも作られました。
写真のオルゴールにはシリンダーが4つ付いています。
各2曲ずつなので、全部で8曲も楽しめるオルゴールです。
クリスマス曲のシリンダー1本と、それ以外のシリンダー3本です。
クリスマス以外は、ツリーの代わりにお皿や花瓶を載せて、フルーツや花を飾って楽しんでいたようです。
この4つのオルゴール、櫛歯の本数がバラバラなのが面白いところです。52本、53本、54本・・・。
現代のオルゴールのように画一的に作られているのではなく、ひとつずつ手作りだったのでしょう。
構造も面白く、趣もあり、想像力を掻き立てるオルゴールです。

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写真の中央をよく見ると、ハチドリの剥製が。
刺繍やパールで飾られたヴァイオリンの形のケースの中に、小さなお庭が作られています。
蓋を開けるとオルゴールが鳴り出します。

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サンタと子供たちのオートマタです。
ビスク(陶器)やセルロイド、それぞれの人形のヘッドの素材が異なります。
ご見学の際はひとつひとつの人形にもご注目くださいませ。

クリスマスの曲もたくさん演奏いたします。
また、オルゴールの振動を全身で体感するベンチや、100年前の手廻しオルガンの演奏なども。
博物館コースは、少人数で巡るコースならではの体験型のコースです。
最後にカフェでお茶を飲みながら、90年前に活躍した名ピアニストの演奏を堪能していただけます。

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演奏会コースでは『通常の料金で楽しめるクリスマスコンサート』も開催中です。

企画展の詳しいご説明はこちら から。新しいウィンドウで開きます。