今日から始まった「妙技!オートマタ展」に伴い、1F音楽ホールのオートマタ、シリンダー・オルゴール、自動オルガンも展示替えしました。
なかでも初公開なのが、8月25日のブログでご紹介した、チャーチ・バレルオルガンです。
オルゴールの間に並んでもひけをとらず堂々としています。
音も大きすぎず、ホールに響いて綺麗です。
ホームページでは語り尽くせない情報をお届けします。
今日から始まった「妙技!オートマタ展」に伴い、1F音楽ホールのオートマタ、シリンダー・オルゴール、自動オルガンも展示替えしました。
なかでも初公開なのが、8月25日のブログでご紹介した、チャーチ・バレルオルガンです。
オルゴールの間に並んでもひけをとらず堂々としています。
音も大きすぎず、ホールに響いて綺麗です。
昨日(21日)「モヤモヤさまぁ~ず2」の(江戸川橋&護国寺)を見ていましたら、オルゴール博物館が紹介されました。
テレビで見るのもチョット新鮮さがありますね。
マネージャーにテレビ写りも、バッチグーでした。
嬉しかったです。
演奏曲目
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | プレリュード パセティック(悲愴的前奏曲) | チェルカスキー | チェルカスキー |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
アメリカ・シンフォニオン | ヴェニスの謝肉祭 | ベネディクト |
レジーナフォン | カンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV.140 | バッハ |
ポリフォン Style104 | 「ウィリアム・テル」より 祈り | ロッシーニ |
シンフォニオン・エロイカ | 「トロヴァトーレ」より ミゼレーレ | ヴェルディ |
シンフォニオン ベル Style 48K | カール王行進曲 | ウンラート |
ステラ・テーブルタイプ | 心と花 | トバーニ |
ミラ・エンプレス | 「ロミオとジュリエット」より | グノー |
ポリフォン Style105 | アヴェ・マリア | グノー |
ポリフォン・ オートチェンジャー | (随時) |
9月の演奏会は博物館の古株スタッフお勧めのオルゴールで聴きたい曲。
心と花*1、トロヴァトーレのミゼレーレ*2、ウィリアム・テルの祈り*3、グノーのアヴェ・マリアなどしっとりと聞き惚れる曲。
ヴェニスの謝肉祭、ロミオとジュリエットはディスク・オルゴールのアレンジがいきる華やかな曲。
そしてマーチなど。
9月の選曲も「楽しくて、もっともっとオルゴールを聴いていたい」っと思わせるラインアップです。
SHURA CHERKASSY (1909 - 1995):
自動ピアノではシューラ・チェルカスキー自作自演の曲です。
「20世紀を代表する超絶技巧派ピアニスト」とか「最後のロマン派ピアニスト」といわれるチェルカスキー。
ロシア・オデッサの生まれですが、ロシア革命によりにアメリカに亡命。
ピアニストだった母親によって、早くからピアノを学び始めました。
渡米後はヨーゼフ・ホフマンに師事し、14歳でデビュー・コンサート・ツアーに出かけた天才。
ホワイトハウスでハーディング大統領の前で演奏したという記録もあるようです。
『プレリュード パセティック』は彼が14歳の時に出版されていますが、少なくても渡米の前に書かれた曲と言われています。
その若さでこのような表現が豊かな曲が書けたんだと驚くばかりです。
(チェルカスキーの生年月日はずっと1911年だと言われていたのですが、チェルカスキー自身が晩年にオデッサへ赴いて調査して1909年だったことがわかったそうです。そのため、彼について書かれた記述には2歳のずれがあることもあり混乱しています。)
自動ピアノのロールです。
当時のロールには演奏家の写真とサインが印刷されていました。
上の写真のロールにサインがふたつあります。
実はチェルカスキーは「ピアノロールに録音した最後の名ピアニスト」ともいわれていました。
20年ほど前、チェルカスキーが来日した際のことです。
スタッフが写真のロールを持って会いに行くと、楽屋に迎入れてくださり、「あのときは若かったから・・・。サインは上達したと思うよ。」とニコニコとサインしてくれた記念のロールです。
比べて見るとあまり上達したとは…。
9月になったら少しは涼しくなると良いのですが・・・。
どうぞ、残暑の疲れを癒やしにご来館下さいませ。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
*1:心と花(Hearts and flowers)は、1899年サイレント映画の挿入歌として作曲された。
*2:ミゼレーレ(MISERERE)とは、ラテン語で「憐れみ」
*3:現在ウィリアム・テルは序曲が有名だが、「祈り」はあまり知られていない。当時のオルゴールではシリンダーからディスクまで人気曲だった。
演奏曲目
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | 12の練習曲 Op.10 12番 ハ短調 「革命」 | ショパン | バウアー,ハロルド |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
ステラ・オーケストラルグランド | 「カルメン」より 闘牛士の歌 | ビゼー |
レジーナ フォン | 椰子の実 | 大中 寅二 |
シンフォニオン・エロイカ | 「コルヌヴィルの鐘」より ワルツ | プランケット |
ロッホマン | つむじ曲がり | 不詳 |
アメリカ・シンフォニオン | カイロの道 | ソーントン |
ステラ・テーブルタイプ | セレナーデ | シューベルト |
ミラ・エンプレス | 緑が野に | アイルランド古謡 |
ポリフォン Style105 | ラルゴ (「セルセ」より なつかしい木陰よ) | ヘンデル |
レジーナ オートチェンジャー | (随時) |
8月の演奏会は老若男女!みんなで楽しめる曲を選びました。
「ヘンデルのラルゴ」として有名なこの曲は、1738年4月に初演されたオペラ「セルセ(Serse)」の第1幕の冒頭で歌われるアリア「オンブラ・マイ・フ(なつかしい木陰よ)」です。
プラタナスの木陰で休むペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)によって歌われます。
題名には関係ないのに何故ラルゴと呼ばれるのでしょうか?
曲の速度記号『ラルゴ(Largo)(幅広くゆるやか)』からそう呼ばれるようになったそうです。
ゆったりと流れるラルゴはおすすめです。
話によると「カイロの道」は1893年に開催された万博にむけて書かれ、リトルエジプトと呼ばれる蛇遣いと、ラクダ乗り、スキャンダラスなダンサーが登場するお話だそうです。
1895年以降に人気がでたとのこと。
印象的な曲調のすてきな曲です。
今回のブログを書くにあたり、曲について調べていて一番驚いたこと。
ミラで演奏する「緑が野に」です。
「アイルランド組曲」の「緑が野に」という曲なのですが、
この曲はL.アンダーソンによって1947年に作曲されています。
それでは当時のオルゴールに収録されているわけがない。
そう思って調べると「アイルランド組曲」はアメリカの作曲家がボストンのアイルランド協会の依頼で編曲した作品。
アイルランドの古い曲を題材に作曲されています。
第4曲の「緑が野に」は「Wearing of the Green」という曲が原曲。
原曲のタイトルは「緑の服の着用」。
その曲はなんと、反英闘争により1798年に起きたアイルランドの反乱や革命のために奮起した人々へ捧げる歌だったのです。
その歌は「反乱のシンボルとなる緑の洋服の着用を禁止する法律ができた。」とか「アイルランドのシンボルといわれるシロツメクサを育てちゃいけない法律ができた。」とか「今までで最も苦痛に満ちた国だ。」などという歌詞でした。
それなのに悲壮感がなくて、なんだか楽しそうな音楽にさえ聞こえます。
興味深い一曲です。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
7月17日から、演奏会コースの自動ピアノの曲目とオートマタを、夏休みにともない変更しています。
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | 12の練習曲 Op.10 12番 ハ短調 「革命」 | ショパン | バウアー,ハロルド |
この練習曲(エチュード)は1831年に、ショパンの祖国ポーランドのワルシャワがロシア軍に占領されたときき、悲憤を込めてこのを作曲したといわれています。
その革命が失敗に終わった際には、ショパンは「これは私に多くの痛みを残した。それを分かっていたのかもしれない」と涙したとのこと。
この「12の練習曲の12番」の曲は友人のリストに献呈され、リストが「革命」と命名したようです。
演奏しているのはハロルド バウアー。
ヴァイオリンから転向したピアニストで、ペダリングの最高の名手という人も。
地味な演奏で玄人好みなどとも言われますが、この「革命」は迫力ある演奏で、演奏に引き込まれていく感じです。
ハロルド・バウアー(1873~1951)(Wikipediaより)
7月中のディスク曲はかわらず、以下の通りです。
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
アメリカ・シンフォニオン | 水夫のホーンパイプ | アメリカ民謡 |
シンフォニオン・エロイカ | 27のコラール編集曲 12主なる神 我ら汝を讃えん BWV725 | J.S.バッハ |
レジーナフォン | 浜辺の歌 | 成田為三 |
ポリフォン Style104 | リンガー・ロンガー・ルー | ジョーンズ, シドニー |
カリオペ No62 | 波濤を越えて | ローサス |
ステラ・テーブルタイプ | トロイメライ | シューマン |
ミラ・エンプレス | スコウマン | 不明 |
ポリフォン Style105 | 「ゼッキンゲンのラッパ吹き」より ごきげんよう、さようなら | ネスラー |
ポリフォン・ オートチェンジャー | (随時) |
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
演奏曲目
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | 芸術家の生涯 | シュトラウス2世 | ローダー,ミラン |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
アメリカ・シンフォニオン | 水夫のホーンパイプ | アメリカ民謡 |
シンフォニオン・エロイカ | 27のコラール編集曲 12主なる神 我ら汝を讃えん BWV725 | J.S.バッハ |
レジーナフォン | 浜辺の歌 | 成田為三 |
ポリフォン Style104 | リンガー・ロンガー・ルー | ジョーンズ, シドニー |
カリオペ No62 | 波濤を越えて | ローサス |
ステラ・テーブルタイプ | トロイメライ | シューマン |
ミラ・エンプレス | スコウマン | 不明 |
ポリフォン Style105 | 「ゼッキンゲンのラッパ吹き」より ごきげんよう、さようなら | ネスラー |
ポリフォン・ オートチェンジャー | (随時) |
7月の演奏会はバラエティ」!
フォークダンス、日本曲、100年前の流行歌、カントリー、讃美歌、ワルツなどなど、さまざまな分野の曲をそろえました。
また、『夏→海』ということで、「水夫の…・「浜辺の…・「波濤を…・と海に関する曲を入れてみました。
季節感も満載です。
ホーンパイプとは17世紀に生まれたイギリスのフォークダンスのこと。『水夫のホーンパイプ』というタイトルの曲はなんと世界中にいっぱいあるようです。
『27のコラール編集曲 12主なる神 我ら汝を讃えん』と長い名前の曲はバッハの曲。BWV*1とは「バッハ作品主題目録番号」で、バッハが作曲した曲全てにこの番号がついています。さらにBWVは内容、形式、演奏楽器の編成などで分類されている優れものなので、BWV 525-771はオルガン曲ということが分かります。中でも525-598合唱を伴わない作品で、599-771は合唱曲となっています。世界的に共通の番号です。コラールとはキリスト教の神をたたえる歌、讃美歌です。
『リンガー・ロンガー・ルー』は1890年代のヒット曲。イギリスの作曲家が書いた曲がフランスでも流行し、かのロートレックが「『リンガー・ロンガー・ルー』を歌うイヴェット・ギル. ベール」という絵を描いています。
『波濤を越えて』はメキシコの作曲家フベンティーノ・ローサスが16歳の時、1884年に作曲したワルツです。波濤(はとう)とは大きな波のことで、大波を越えてなんて困難を乗り越える激しい曲のようですが、実はメリーゴーランドでよく使われる有名な優しいワルツです。波濤(はとう)とは大波のことです。
『スコウマン』は1905年に上演されたブロードウェイの舞台。北米インディアンの女性と結婚した白人男性をスコウマンというのだそうです。
その他、お馴染みの日本曲やクラッシックなど。バラエティに富んだ選曲でお届けします。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
*1:BWV:Bach-Werke-Verzeichnisの略。
演奏曲目
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | 雨だれ Op28-15 | ショパン | ウラディーミルド,パハマン |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
ポリフォン Style105 | 失われた和音 | サリヴァン |
ステラ・テーブルタイプ | 「ディノラ」より 軽い影よ | マイアベーア |
ミラ・エンプレス | 懐かしきケンタッキーの我が家 | フォスター |
アメリカ・シンフォニオン | 窓辺にて | ドイツ民謡 |
シンフォニオン・エロイカ | 楽しいごきげんなマーチ | アラード |
ロッホマン | 「リュシストラータ」より 蛍の牧歌 | リンケ |
ステラ・オーケストラルグランド | 「ユグノー教徒」より 剣の祝福 | マイアベーア |
レジーナ オートチェンジャー | (随時) |
「雨だれ」や「蛍の牧歌」など、6月を意識した曲を織り交ぜ、お勧めの曲ばかりです。
どれをクローズアップしてご紹介するか迷ってしまい、今回は少しずつですが全部の曲について、私が思う聴きどころを書いてみました。
「失われた和音」・・・高音のトレモロが美しい一曲。サリヴァンが死の床にあった弟のベッドサイドで作った曲です。
左から ミラ・エンプレス ステラ・テーブルタイプ アメリカ・シンフォニオン
「懐かしきケンタッキーの我が家」・・・CMでお馴染みの曲ですが、ミラの美しい低音の効果で曲本来の哀愁漂う雰囲気となります。穏やかな時が流れます。
「ディノラ」より軽い影よ・・・途中でテンポが変わります。しっとりとした美しい旋律の曲です。
「窓辺にて」・・・ゆっくりとしたメロディに高音が美しい曲です。
「楽しいごきけんなマーチ」・・・明るい気分になるマーチです。博物館オリジナルCD「ファンタジィ」にも収録されています。
「ユグノー教徒」より剣の祝福・・・ディスクに問題があり、大切なところで雑音が一音鳴り、今まで演奏出来なかったのですが、ディスクを整備し、晴れてお聴きいただけます。
左:ロッホマン・オリジナル 右:レジーナ・フォン
「リュシストラータ」より蛍の牧歌・・・オルゴールに付いているベルが効果的に使われています。
オルゴールや自動ピアノの他にも、自動オルガンの演奏やオートマタ(からくり人形)の実演を行います。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
5月1日からの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。
演奏曲目
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | 2つのメロディ 作品3より 1.ヘ長調 | ルビンシテイン | ヨーゼフ・ホフマン |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
ステラ・テーブルタイプ | 「ゴンドラの漕ぎ手」より カチューシャ・ダンス | サリヴァン |
ミラ・エンプレス | ヘ調のメロディ | ルビンシテイン |
ポリフォン Style105 | 「カルメン」より マーチと合唱曲 | ビゼー |
アメリカ・シンフォニオン | 「メリー・ウィドウ」より ワルツ | レハール |
シンフォニオン・エロイカ | ウィーン気質 | シュトラウスⅡ |
レジーナフォン | 夢見る人 | フォスター |
ポリフォン Style104 | いきのいいにしん | スコットランド民謡 |
カリオペ No62 | ラ・パロマ | イラディエル |
ポリフォン・ オートチェンジャー | (随時) |
新緑の5月。心躍るような美しく優雅な曲を選びました。
自動ピアノとミラで演奏する曲は最近のドコモのCM*1でも流れている、アントン・ルビンシテイン作曲の曲です。
『2つのメロディ 作品3より 1.ヘ長調』が正式名称ですが日本では「ヘ調のメロディ」で知られています。
1852年に作曲されたピアノ曲で、2.ロ長調もあるのですが、第1番のみが有名です。
アントン・ルビンシテイン Anton Grigoryevich Rubinstein (1829年11月28日 - 1894年11月20日)
ルビンシテインは弟ニコライとともに19世紀後半のロシアの音楽活動を推進した中心人物です。
ピアノ・ヴィルトゥオーソとしてはリストと並び称され、ヨーロッパ各地やアメリカに演奏旅行にでかけています。
ロシア音楽協会やペテルブルク音楽院を創設、ロシア音楽の水準を高めるのに尽力しました。
指揮者としても活躍、作品はあらゆる分野に多数ありますが、作曲家としての名声は死後急速に失われたといわれ、その膨大な作品の多くは今日顧みられることがありません。
「ヘ調のメロディ」は現代に引き継がれるわずかな曲のひとつです。
ディスク・オルゴールとピアノで聞き比べをお楽しみ下さい。
ちょっとかわった曲名は「いきのいいにしん」。
平仮名だと読みにくいですね。
「活きの良い鰊」はスコットランドで古くから歌われている民謡です。
「いらっしゃい、いらっしゃい、活きの良いニシンだよ!」というニシン売りの娘の呼び声から始まる曲です。
ニシンは英国でもポピュラーな魚で、ニシンの開きとか、燻製、塩漬け、缶詰など、スコットランドの名物料理とされています。
スコットランドの民謡には「いきのいいにしん」以外に、「私はニシンをお塩に漬けた」なんて曲もあります。
「いきのいいにしん」は「オリジナル訳詞付き名曲カラオケ」というサイトに訳詞つきで掲載されていました。
(インターネットは便利ですね。)
「オリジナル訳詞付き名曲カラオケ」 新しいウィンドウで開きます。
オルゴールや自動ピアノの他にも、自動オルガンの演奏やオートマタ(からくり人形)の実演を行います。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
*1:「Xi2割/とあるプレゼンテーション」篇 出演者:渡辺 謙、布袋 寅泰、岩松 了、木村 文乃
春の嵐で暴風雨です。
博物館の窓にも雨が激しく打ちつけて、なんだか不安になります。
今日は電車が止まりそうなので、4時半に閉館させていただきました。
4月1日から演奏会コースで演奏するピアノ曲をご紹介します。
1920年当時のピアニストの演奏を再現演する自動演奏ピアノ、スタインウェイ・デュオアートが演奏します。
エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ
グリーグ*1作曲のペール・ギュント 第1組曲 作品46より 3.アニトラの踊りです。
イプセン*2の戯曲「ペール・ギュント*3」の付随音楽として誕生。
付随音楽はオペラとは違い、劇の台本や進行に合わせ作曲された音楽で、劇や芝居を盛り上げ、様々な効果を作り出すために創作された音楽です。
演奏は、後にグリーグが管弦楽のため、この音楽の中から4曲ずつを選び、作品46と作品55の2つの組曲に改作したうちのひとつ、作品46の第3曲です。
劇の中では「アニトラの踊り」はペール・ギュントが砂漠のオアシスを訪れたとき、族長の娘アニトラと踊子達が歌い踊る場面で流れます。
パーシー・グレインジャー
演奏はパーシー・グレインジャー*4。
グレンジャーは自動演奏機械の開発に晩年を捧げた、異色のピアニスト。
彼が開発した電気楽器「フリーミュージック・マシーン」は伝統的な音階・拍子・和声から解放された「フリー・ミュージック」を奏でる自動演奏機械。
グレインジャーは若い頃から「鳥の飛翔のような旋律、大洋の海のようなリズム、夕暮れの空のような和声」を音楽の理想と考え、四本の紙のロールの形状にしたがって上下するバーが発振器の抵抗値を変え、スピーカーから音が出る仕組みの機械を試作していたそうです。
今回は注釈が多くなりましたが、興味のあるところだけお読み下さいませ。
つまり、ヴィルトゥオーゾ*5のグレインジャーが弾く『アニトラの踊り』は、官能的で妖艶で、どんどんと演奏に引き込まれていく魅力に溢れています。
ペール・ギュント (ヘンリク・クラウゼン演ずるペール 1876年)
*1:エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ:Edvard Hagerup Grieg、1843年6月15日 - 1907年9月4日。ノルウェーの作曲家。生前から世界的な名声を博した。グリーグはとても小柄であったが、生前は卓越したテクニックのピアニストとしても著名で、自作を携えヨーロッパをたびたび演奏旅行している。当時注目する人もいなかったノルウェーの民俗音楽を取り上げ、洗練させることにより、ノルウェー独自の文化を確立。国民楽派の作曲家として注目された。彼の肖像は旧500クローネ紙幣に描かれていた。
*2:ヘンリック・イプセン:Henrik Johan Ibsen 1828年3月20日 - 1906年5月23日 ノルウェーの劇作家、詩人、舞台監督。近代演劇の創始者であり、「近代演劇の父」と称される。シェイクスピア以後、世界でもっとも盛んに上演されている劇作家とも言われる。
*3:ペール・ギュント:自由奔放なペールギュントが旅に出て年老いて帰ってくるまでの物語。全5幕。落ちぶれた豪農の息子で、母と共に暮らしている夢見がちな男ペール・ギュントは、かつての恋人イングリを結婚式から奪取して逃亡する。しかしイングリに飽きたら彼女を捨て、トロルの娘と婚礼寸前まで行くが逃げ出す。純情な女ソルヴェイと恋に落ちるが、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。山師のようなことをやって金を儲けては無一文になったり、精神病院で皇帝になったり遍歴した後に老いて帰郷する。死を意識しながら故郷を散策していると、ボタン職人と出会うが、彼は天国に行くような大の善人でもなく地獄に行くほどの大悪党でもない「中庸」の人間をボタンに溶かし込む役割の職人だった。「末路がボタン」というのだけは御免だと、ペール・ギュントは善悪を問わず自分が中庸ではなかったことを証明しようと駆けずり回るが、トロルの王も「やせた男」もそれを証明してくれなかった。彼は最後の証人として会ったソルヴェイに子守唄を歌ってもらいながら永眠する。
*4:パーシー・オルドリッジ・グレインジャー: Percy Aldridge Grainger, 1882年7月8日 - 1961年2月20日 オーストラリア、メルボルンに生まれ、ドイツに学び、英米を拠点に活躍した往年のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト。英国・北欧民謡の採集家で、古楽の研究も行ない、各種の編曲も手懸けた作曲家。
*5:ヴィルトゥオーソ:完璧な演奏技巧によって困難をやすやすと克服することのできる、卓越した演奏能力の持ち主に対する称賛の言葉
4月3日からの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。
機種名 | 曲目 | 作曲者名 | 演奏者名 |
---|---|---|---|
スタインウェイ・デュオ・アート | ペール・ギュント第1組曲 作品46より3.アニトラの踊り 4.山の魔王の宮殿にて | グリーグ | パーシー・グレインジャー |
機種名 | 曲目 | 作曲者名 |
---|---|---|
ステラ・テーブルタイプ | 「ファウスト」より 花の歌 | グノー |
ミラ・エンプレス | さらば恋人よ | ティルツァー |
ポリフォン Style105 | 「トロヴァトーレ」より この恋を語るすべもなく | ヴェルディ |
ステラ・オーケストラルグランド | 「魔弾の射手」より 狩人の合唱 | ワーグナー |
シンフォニオン・エロイカ | 「マルタ」より 夏の名残りのバラ | フロートー |
アメリカ・シンフォニオン | 「シルヴァー・フィッシュ」より マズルカ・ブリリアント | ケットラー |
レジーナフォン | 花 | 滝廉太郎 |
ロッホマン | 「メリーウィドウ」より メリーウィドウ・マーチ | レハール |
レジーナ オートチェンジャー | (随時) |
4月は春をイメージし、恋や花の歌などをテーマに選びました。
フロートー Friedrich von Flotow (1812年4月27日-1883年1月24日)
更に、今月ぜひ聞いていただきたいのは・・・。
ちょうど200年前の今月に生まれたフリードリッヒ フォン フロートーの曲です。
フロートーはドイツの作曲家、貴族の家に生まれ外交官の勉強をしていたのですが、音楽の才能に目覚めて進路変更、パリ音楽院で学びます。
オペラ『マルタ』で名声を得、オペラ作曲家として活躍しました。
『マルタ』は彼の生前に500回以上も上演された、人気のオペラで、初演は1847年、ウィーンのケルントナートール宮廷劇場。
宮廷生活に退屈した女官が、田舎娘マルタに扮して市場に出かけ、一年間の奉公の契約をしてしまい、そこから起きる騒動と恋の顛末を描く、笑いあり、ロマンスありのオペラです。
「夏の名残りのバラ」が人気で、日本でも「庭の千草」として歌われています。
実はこの曲、もともとアイルランド民謡なので、「庭の千草」の作曲家を調べるとアイルランド民謡と書かれていることが大半です。
しかしアンティークのオルゴールに記されている「夏の名残のバラ」の作曲家は全てフロートーなのです。
オペラ「マルタ」のこの曲は、オルゴールの最盛期のヒット曲。
アイルランド民謡の「夏の名残のバラ」ではなく、「マルタ」の「夏の名残のバラ」が収録されているということがPRポイントなのでしょう。
「マルタ」はフロートーが70才の時に上演500回記念公演が行われたそうですが、初演から35年以上も大人気だった曲は、1850年代位からのシリンダーにも、1900年代のディスクにも、多くのオルゴールに収録されています。
オルゴールには当時の人気曲が収録されていたんだということを裏付けるような曲ですね。
「夏の名残りのバラ」はシンフォニオン社のエロイカでお楽しみいただきます。
アレンジの異なるディスク3枚を同時に演奏するシンフォニオン社の自信作で、深みのある演奏が楽しめます。
オルゴールや自動ピアノの他にも、自動オルガンの演奏やオートマタ(からくり人形)の実演を行います。
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。
13時か15時に間に合うようにご来館ください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。
今日から3月。
昨日の雪とは打って変わって、吹く風にも心なしか春の気配を感じます。
演奏家コースも今日から曲替えをし、オルゴールから流れるメロディも春を感じることが出来ます。
また、ストリート・オルガンやオートマタも展示替えをしています。
桜色のドレスのギターを弾く少女や椅子の軽業師など。
少女の隣にあるミルク缶からはある動物が飛び出します。
どうぞ、お楽しみに!