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裸のレジーナ・オートチェンジャー

今週から「十機十色!ディスクオルゴール展」を開催しています。
 
 
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5月13日のブログで演奏機種や曲目をご紹介していますが、今日は今回の企画展で初めてチャレンジしたオートチェンジャーの裏側公開についてのご紹介です。
 
 
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「オートチェンジャー」とはディスクを自動で交換してくれるオルゴールです。
レバーで好みの曲を選んでスタートすれば、自動でディスクを持ちあげセットして演奏をしてくれるのです。
そしてそれは電気を使わず、ゼンマイの力だけで動きます。
オートチェンジャーはポリフォン社やシンフォニオン社でも生産しましたが、一番多く生産したのはレジーナ社で、数千台作られたといわれています。

展示しているStyle33は、直径27インチ(約69cm)のディスクを使用します。
1905年頃、アメリカのレジーナ社で作られました。
コインで動く機能は付いていなくて、大きなホールや大邸宅用として売られていました。
ゼンマイは上下に2つあり、レジーナの広告には「それぞれ1/4馬力」と書かれていました。
上のゼンマイは演奏用で、下のゼンマイはディスク交換用です。
 
 
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広告には「ピアノ音響板がついているため音量と音色は最高級のピアノと肩を並べる」と書かれていますが、今回はケースの背面の板と前面の扉をとって展示しています。

エアーブレーキが動きだす様子。
ディスクがゆっくりと持ち上がるシステム。
演奏中のディスクの裏側。
普段は見られないオルゴールの機械内部が観察できます。

裏板を外したことで音量は下がっていますが、オルゴールの裏側を見られる滅多にないチャンスです。
 
 
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オートチェンジャーは複雑なシステムを木の外枠で止めています。
丈夫な鉄柱などを持っていないためとても不安定で、移動を嫌います。
それなのに今回は裏板と前面の扉を外してしまっています。
ご見学の際には体当たりなどしないように、お気をつけくださいませ。
皆様のご来館をお待ちしております。


ラジオ

今日の15時45分くらいから、ニッポン放送「上柳昌彦ごごばん」の「東京ガス・ハートフルライフ・プレミアムトーク」のコーナーで博物館を紹介していただける予定です。

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取材にはニッポン放送のアナウンサー五戸 美樹(ごのへ みき)さんがひとりでいらっしゃいました。

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色々なオルゴールを聴きながら、マイクを片手に約2時間の取材でした。
放送局に帰ってから編集して、約5分の放送となるのだそうです。
どうぞ、お楽しみに!

演奏会コース 展示品入れ替え

演奏会コースでご紹介する展示品のうち、シリンダー・オルゴール、オートマタ、自動オルガンを入れ替えました。
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自動オルガンはいつも2台演奏していますが、今回は年代や仕組みなどが対照的な2台です。左側がモンキー・オルガン、右側がニコ・ヴァン・デューレンです。
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モンキー・オルガンは1910年頃のイギリス製で、ソフトにはバレル(木製の筒)を使用しています。
1本のバレルに7曲入っており、シリンダー・オルゴールのシリンダーのように横にずらして曲を替えます。
音源はリード(31枚)なので音のイメージはアコーディオンやハーモニカに近いです。
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ニコ・ヴァン・デューレンは現代のオランダ製ですが、18世紀のフレーテンウーア(笛時計(音楽時計))の楽器部分を復元したオルガンです。
ソフトは当時バレルを使用していましたが、これはロールを使用しています。1本のロールは1曲入りで、交換して様々な曲を演奏できます。
音源は前面に並んでいる木製のパイプ22本で、ストリート・オルガンのような迫力ある音ではなく、可愛らしい小型パイプオルガンの音色です。
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どちらも手廻しで演奏します。仕組みや音色の違いをお楽しみください。
 
 
5月の演奏会コースのプログラムについては4月27日のブログ記事をご覧ください。
ブログ記事へ  新しいウィンドウで開きます。
 
 
演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

取材がありました

昨日のブログでご紹介したTV東京の取材がありました。

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お勧めのディスク・オルゴールはたくさんあるのですが、放送が30秒ほどなのでじっくり撮影されたのは数台です。
帰り際にもう1台と思ったのですが、これから編集なのでと大急ぎでお帰りになりました。

放送は今日の15時半からです。あっという間と思われますので、どうぞお見逃しなく!

テレビ東京 FINE出演?

月~金曜日の夕方15:30~17:20に放送されているテレビ東京の「FINE(ファイン)」は、報道ニュースと「レディス4」がMIXした新しい夕方の総合生ワイド番組。

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明日の「FINE」に博物館のオルゴール達が出演することとなりました。
時間は15時31分から。
番組冒頭のオープニングコーナーで、明日から開催される企画展「十機十色!ディスク・オルゴール展」を紹介してくださる予定です。
30秒ほどの短いコーナーだそうですが、是非ご覧下さいませ。

※なお、報道番組のため、大事件や大事故などが発生した場合、放送されないこともございます。

「FINE」のHPへ   新しいウィンドウで開きます。

チャリティ商品の販売、はじめました。

東日本大震災の被災者の方々を応援したいと思い、チャリティ商品をご用意しました。

チャリティ商品の売上の全額を日本赤十字社を通じ、東日本大震災の義援金として寄付いたします。

博物館の受付で開催中です。100円のキーホルダーから色々な商品があります。

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お近くにお寄りの際は、ぜひ覗いてみてください。

企画展 十機十色!ディスクオルゴール展 来週から

来週の5月17日火曜日から7月16日土曜日まで、博物館コースでは「十機十色!ディスクオルゴール展」を開催いたします。

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企画展では、十人十色ならぬ、十機十色!様々なディスク・オルゴールが登場します。

ディスクオルゴール発売当時の稀少な初期の機種。
ベルやチャイムが伴奏する機種。
からくり機構がついた楽しい機種。
2枚のディスクで演奏するもの。
1枚のディスクで2曲演奏する珍しいシフティング・ディスク3種。
などなど。手廻しの小さなものから大きなものまで13機種のご紹介です。
十三機十三色?

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今回の企画展はディスク・オルゴール誕生のきっかけとなった紙のディスクを使用するオルガニートから始まります。
スタッフの解説とともに、13機種のディスク・オルゴールをお楽しみいただき、
企画展の最後には自動でディスクを交換するオートチェンジャーの裏側を公開します。

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また、常設展ではオートマタやシリンダーオルゴールなど、企画展でご紹介できなかった機種を演奏。
企画展と常設展、あわせて約1時間の演奏をお楽しみいただいた後、
5階のカフェで自動演奏ピアノを聴きながらのティータイムをお過ごしいただけます。

博物館コースは11時、14時、16時からで、所要時間は約70分です。
約12名様で締切りとなります。

演奏曲目

  • 企画展示室

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曲目作曲者名機種名
ハンガリアン・マーチベルリオーズジャイアント・アリストン(オルガニート)
ドナウ川のさざ波イヴァノヴィッチポリフォン エクセルシオール(初期)
新しきウィーンシュトラウス2世シンフォニオン Style No.6(初期)
オールヴォワール、グッバイじゃないのケネディシンフォニオン Style20S
賢いミスターグリーンダーンリーシンフォニオン Style20D(マニベル)
おもちゃの兵隊の行進イェッセルカリオペ 60G(ベル付)
5月のワルツアレッターシンフォニオン Style48K(板ベル付)
「魔弾の射手」より 花嫁の冠を編みましょうウェーバープードルのティーパーティ(からくり付)
「ゼッキンゲンのラッパ吹き」より ごきげんよう、さようならネスラーカリオペ(クリスマスツリースタンド)
I Wonder who's kissing her now.ハワードレジーナ Style216(ベル付)
美しきライン&花のポルカ不詳&ツィラータンホイザー(シフティングボックス)
「ウィンザーの陽気な女房たち」より 序曲 part1&2ニコライシリオン(シフティングボックス)
ハンガリアン ラプソディ part1&2リストニュー・センチュリー(シフティングボックス)
カイロの道ソーントンシンフォニオン No.25D(ダブル・ディスク)
  • 自動ピアノ

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機種名曲目作曲者名演奏者名
ウェルテ・ミニヨン パヴァーヌ 作品50 変へ短調フォーレ、ガブリエルフォーレ、ガブリエル

 (100年前のオルゴールを鳴らしている為、機種や曲目は予告なく変更することがございます。ご了承下さい。)

博物館コースの詳しいご説明へ   新しいウィンドウで開きます。
博物館コースのご予約へ   新しいウィンドウで開きます。

シェフのオートマタ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日はシェフのオートマタ。
1895年頃にフランスのルレ・エ・ドゥカン工房で作られたものです。

シェフがウォーミングパン*1とトングをヴァイオリンと弓にみたてて、音楽とともに演奏します。
台にはオルゴールとからくりが組み込まれ、オルゴールの動力を利用して人形を動かします。
手や頭以外にも、帽子や舌も動くのでお見逃し無く。
ハンサムなシェフのヘッドは著名な­人形師ジュモーの作品です。

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現在アンティーク・ドールとして人気がある西洋人形も、オルゴールと時を同じく19世紀に開花しました。
産業革命や万博などの影響を受け、パリを中心に発展し、量産されるようになりました。
ジュモー、ブリュなどの人形工房は、当時各地で開催された博覧会で金メダルを受賞し、人気に拍車をかけます。
アメリカやオーストラリアなどにも紹介され、世界中に輸出されるようになるのです。
オートマタにも、様々な種類の人形が用いられ、特にビスクドールと呼ばれる陶器の人形は人気を博しました。
ビスクドールの「ビスク」とは、お菓子のビスケットと同じく、フランス語の「二度焼き=ビスキュイ(biscuit)」が語源です。
 
 
 

*1:ウォーミングパン:真鍮しんちゅう製で長い柄のついたふた付きのフライパンのようなもの。中に燃えている石炭などを入れてベッドに入れ寝具を暖める為に使われていた。映画「パイレーツオブカリビアン」で使用人が使っていたり、マザーグースの歌の中にも登場するそうな。

メカニカル バードケージ

被災者の方や不安な気持ちで過ごしている方々に、少しでも元気になっていただきたいと願って、オルゴールやオートマタの映像をYouTubeに応援投稿しています。

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今日のオルゴールはメカニカル・バードケージ。
3羽の鳥が交互に鳴くオートマタです。

生きている鳥ではありません。
剥製の鳥に機械を組み込んで、くちばしと首、尾を動かします。
動力はゼンマイで鳥かごの下に組み込まれています。

鳴き声はフイゴと笛で再現します。
フイゴで作られた風がトロンボーンの原理を応用した笛に送られ、笛につけられた管がスライドすることで音程の高低を生み出します。

20世紀前半にフランスかスイスで作られたようです。

 

5月の演奏会コース

あさってからゴールデンウィークが始まります。
オルゴールの小さな博物館は5月1日と2日が休館日で、それ以外は通常通り営業いたします。
 
 
5月3日からの演奏会コースの曲目をご紹介いたします。

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートラ・カンパネラリストフリードマン,イグナス
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプフニクリ・フニクラデンツァ
ミラ・エンプレス「ロミオとジュリエット」より グランド・ワルツグノー
ポリフォン Style105「ドロシー」より みどりの岸辺セリアー
ステラ・オーケストラルグランドフラワー・ポルカツィーラー
シンフォニオン・エロイカスターバト・マーテルロッシーニ
アメリカ・シンフォニオン舞踏への勧誘ウェーバー
レジーナフォンドナウ川のさざ波イヴァノヴィッチ
ロッホマン黒き汝が瞳ハインズ
レジーナ オートチェンジャー(随時) 

 
スタッフお勧めの1曲はポリフォンStyle105で演奏する「ドロシー」よりみどりの岸辺です。
「ドロシー」はイギリスの作曲家アルフレッド・セリアーが作曲し、1886年にロンドンで初演されたコミック・オペラです。
  ファイル 362-1.gif  Alfred Cellier(1844-1891) Wikipediaより

原題はクイーン・オブ・マイ・ハート(Queen of my Heart)。劇中ではシャーウッド(バリトン)が歌うバラードです。
ヒロインのドロシーを思って歌うのでしょうか。
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ロンドン公演時のキャスト。ハイデン・コフィン(ハリー・シャーウッド役)とマリー・テンペスト(ドロシー役)
Hayden Coffin as Harry Sherwood & Marie Tempest as Dorothy Bantam(Wikipediaより)

歌うように流れる旋律をオルゴールでは見事なアレンジで表現しています。
  ファイル 362-3.gif Wikipediaより
  
 
自動ピアノではリスト作曲の「ラ・カンパネラ」をフリードマンの演奏でお聴きいただきます。
  ファイル 362-4.gif  フリードマン,イグナス(1882-1948 ポーランド) Wikipediaより

今年はリスト生誕200年です。1月の「愛の夢」に続く第2弾として、彼の代表作であり、今なお大人気の曲「ラ・カンパネラ」をどうぞお楽しみください。
 
 
その他、シリンダー・オルゴール、ストリート・オルガンの演奏やオートマタの実演もございます。
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演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。