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ミュージカル出演者が支援オークション

1月10日のサンケイスポーツ 、1月11日の毎日新聞に「宮本亜門、百数十万円の自動ピアノを出品」「<東日本大震災>ミュージカル出演者が支援オークション」という記事をみつけました。
(各新聞の名前をクリックすると、記事のページが開きます。)

東日本大震災の被災地支援のため、チャリティーオークションが開かれるそうです。
そのオークションに演出家、宮本亜門さんが、百数十万円の自動ピアノを出品したとありました。

オークション関連ページ 新しいウィンドウで開きます。

見てみると、ピアノはニッケルオデオン(ニケロディオン・ニコロデオン)と呼ばれる自動ピアノでした。

ファイル 432-1.gif (博物館のニケロディオン)

5セントのコインを入ると演奏する営業用の自動ピアノで、シロフォン・カスタネット・タンバリン・ドラムなどが組み込れていて、賑やかな演奏を披露してくれます。

ファイル 432-2.gif (博物館のニケロディオン内部)

実は1940年頃にアメリカで作られたコイン・オペレート方式の自動ピアノ、オーケストリオン、その他類似の機種は、総称してニッケルオデオンと呼ばれているのですが、製作された当時には使われていなかった言葉です。
ニッケルオデオンとは主に1903-1914年頃に5セント(ニッケル硬貨)の入場料を請求した初期の劇場を意味するのですが、5セントで動く自動楽器をコレクター達がそう呼ぶようになったのでしょう。
今日では一般的に使われるようになりました。

博物館のニケロディオン(ホールに置いてあるもの)の動画をYouTubeでアップしていますので、よろしければ

櫛歯の作り方

スイスの高級オルゴールといえば、リュージュ社。

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その日本代理店がリュージュ販売株式会社です。
昨年の暮れにリュージュ販売さんからシリンダーの部品を貸してもらいました。
9月に行われていた『2011オルゴールフェスティバル(日本橋三越)』で展示されていたのを羨ましそうに見ていたら貸してくれました。

今日はその中から「櫛歯*1の作り方」を紹介します。

ファイル 431-2.gif (裏から見たところです。)

左から製造過程順に並んでいます。

一番左は形成されたスチール(鋼鉄)の板です。櫛歯を固定するためのネジ止め用のアナと、オモリを付けるための台などが形成されています。

左から2番目は切り込みを入れたところ。
櫛歯の1本1本が音を出し、長い方が低い音、短い方が高い音となります。
櫛歯はピアノのようにドレミファと順番に並んでいるのではなく、曲によって配列が異なります。
切り目を入れ長さがを替えていますが、この段階では調律は完了していません。

左から3番目は焼入(やきいれ)をしたところ。
画像ではわかりにくいのですが、色が黒っぽくなっています。
切り目を入れた櫛歯を800度の釜に入れ、その後常温の油に浸けて急冷させることを繰り返すのが焼入です。
焼入を行うことで硬度が増し、繊細な音色の基になるそうです。
焼入が終わったら研磨します。
 
 

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左から4番目、何かがモコッとついています。
重厚な低音を出すためと、調律がしやすいようにつけた鉛です。

 
 
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左から5番目、その鉛を研磨して、一本ずつの音程を決定した後、ダンパーとなる透明な樹脂を貼り付けます。
櫛歯は一度弾かれると振動を続けますが、振動中の歯に金属のピンが触れると、ジッという雑音(ダンパーノイズ)が生じます。
まずダンパーがシリンダーのピンに押し上げられ櫛歯の振動を止め、その後、櫛歯が弾かれる仕組みです。

 
 
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左から6番目が完成した櫛歯です。
ダンパーを櫛歯の長さに合わせて切りそろえます。

オルゴールにセットされているときは見えないので、様々に工夫された櫛歯の裏を見て驚く方が多くいらっしゃいます。
1796年、金属の棒を弾いて音を出すオルゴールが誕生して以来、改良が重ねられて1830年代には既に櫛歯の性能は頂点に達していたように思えます。

現在、公開中の1840年頃に作られたエクスプレッシヴ・シリンダーが鳴り出すと、ドーンという低音に驚かされます。

*1:櫛歯:オルゴールの音源となる部分。鋼鉄の板に切り目を入れ、調律して製作する。髪をとかす櫛に形状が似ているためにこの名が付いた。

チャリティ販売 12分売上のお知らせ

2011年12月のチャリティ販売についてご報告いたします。

12月は博物館受付前にて行っている販売の売上11,100円でした。

売上金は本日、東日本大震災義援金として日本赤十字社宛てに振込みました。

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2011年5月からの総計は340,035円になりました。

皆様、ご協力いただきましてどうもありがとうございました。

1月演奏会コース曲目

1月の演奏会コースの曲目をご紹介いたします。
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演奏曲目

  • 自動ピアノ
機種名曲目作曲者名演奏者名
スタインウェイ・デュオ・アートディヴェルティメント 第17番 ニ長調 第3楽章 メヌエットW.A.モーツァルトハロルド・バウアー
  • ディスク・オルゴール
機種名曲目作曲者名
ステラ・テーブルタイプ「カルメン」より 闘牛士の歌ビゼー
ミラ・エンプレス「おもちゃの国の赤ん坊たち」より ワルツハーバード
ポリフォン Style105「小鳥売り」より ポルカツェラー
ステラグランド双頭の鷲の旗の下にワーグナー
シンフォニオン・エロイカ夜の訪問リヒター
レジーナフォン美しく青きドナウシュトラウスⅡ
ポリフォン Style104舞踏への勧誘ウェーバー
エーデルワイス「ファウスト」より ワルツグノー
ポリフォン・ オートチェンジャー(随時) 

新年に相応しく、明るくて楽しい曲を選びました。
優雅なワルツや元気が出るマーチなどをオルゴールの演奏でお楽しみください。

この他、シリンダー・オルゴール3台、オートマタ4体、自動オルガン2台も演奏します。

演奏会コースはご予約なしでお聴きいただけます。お時間に合わせてお越しください。
演奏時間 13:00~/15:00~(所要時間約50分)

演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。

今日からスタート

博物館は今日からスタートです。

新年早々の企画は「技あり!シリンダー・オルゴール展」です。

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オルゴール演奏の限界に挑んだ、職人たちの技が光るシリンダー・オルゴールを展示、演奏します。

性能の異なる2枚の櫛歯を備えて強弱をつけて演奏するオルゴール。
同じ音の歯を複数本用意して長音を表現するオルゴール。
シリンダーを2つに分けて異なる制御をして長時間演奏を可能にしたオルゴール。
とても個性的な12台のオルゴールたちが登場します。
スタッフがそれぞれどんな演奏が得意なのかをご説明しながら披露します。

演奏する機種と曲目をご紹介します。

機種名製作年製作国メーカー曲目作曲者名
シリンダー・ボックス1865年頃スイスニコール・フレールエジンバラの花スコットランド古謡
オーヴァチュア・ボックス1880年頃スイスニコール・フレール「ファウスト」より 序曲グノー
ピアノフォルテ・ボックス1850年代スイスルクルト・フレール「ドン・ジョバンニ」より 手をとりあってモーツァルト
エクスプレッシヴ・シリンダー1840年頃スイスルクルト・グランジェ「秘密の結婚」より 序曲チマローザ
ピッコロ・シリンダー1880年頃スイス***
サブライム・ハーモニー コンサート・ピッコロ1880年代スイスラングドルフ「タンホイザー」より 序曲ワーグナー
ボワセレステ・オーケストラル1880年代スイスペイラード「ウィリアム・テル」より 祈りロッシーニ
マンドリン・シリンダー1870年代スイスブレモンド「ラーリーン」より 我が祈りを聞き給えウォレス
ディヴァイン・ハーモニー・トレモロ1880年頃スイスペイラード「シャモニーのリンダ」より 二重唱ドニゼッティ
バリトン・ハーモニクス1890年代スイスジュノー「ノルマ」より 聞き給えノルマベッリーニ
ビュッフェスタイル・チター付き1880年代スイスラングドルフウィーン気質シュトラウス2世
プレロディニーク・サブライム・ハーモニー1890年頃スイスペイラード「王冠のダイヤモンド」より 序曲オベール

一台ずつの詳しいご説明はおいおいご紹介していきます。
他の博物館ではなかなか聞けないシリンダー・オルゴール三昧。
おすすめです。

博物館コースの詳しいご説明へ   新しいウィンドウで開きます。
博物館コースのご予約へ   新しいウィンドウで開きます。 1

トップページのミュージックを更新しました。

トップページの右側にあるメニュー『Music』の曲目を更新しました。

今年はいろいろなことがありました。
来年は良い年になって、みんなの祈りが叶うように、こんなタイトルの曲にしてみました。

ファイル 428-1.gif ルイザ パイン、最初のラーリーン

演奏は「ラーリーン」より 我が祈りを聞き給え Lurline, Sweet Spirit hear my prayerです。

ファイル 428-2.gif ウォレス William Vincent Wallace

ウォレス作曲の「ラーリーン」は、1860年にロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤルオペラハウスで初演されました。
ラーリーンという名の美しい美女の姿をしたライン川の精のロマンチックなオペラで、人魚姫と浦島太郎を足したようなお話。
ドイツに古くから伝わるローレライ伝説*1が元になっているようです。

ファイル 428-3.gif レジーナ フォールディングトップ

演奏しているのはアメリカ、レジーナ社のフォールディング トップです。

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このオルゴールはコレクターからCasket model(棺モデル)なんて呼ばれているちょっと変わった形のオルゴールです。
細長い形の上蓋がパタパタと開き、その上にディスクを置いて使用します。
1890年代に製作された家庭用のオルゴールで、直径27インチ(68.6cm)のディスクを使用。
この27インチとはアメリカのオルゴールでは最大直径のディスクで、7オクターヴに近い音域を持つベストセラーズ機でした。

*1:ローレライ伝説:ライン川の一番狭い部分であるローレライ付近が航行の難所で、船の座礁をローレライにたたずむ美しい少女に船頭が魅せられ、船が川の渦の中に飲み込まれてしまうと伝えられ、ローレライ伝説と呼ばれるようになりました。

明日から

Merry Christmas!

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お陰様で、今日で無事「特別クリスマス・コンサート」が終わりました。
連日多くのお客様にご来館いただいて、スタッフ皆、緊張の連続。
特別コンサートは名前の通りスタッフにも特別なコンサートです。
皆、頑張って練習して臨みましたが、緊張しすぎて声が小さくなったり、オルゴールを止め損なったり、うまく出来なくて悔し涙を流したり。
それでも、「また来年!」と声を掛けて下さる皆様に励まされて、クリスマス期間を過ごすことが出来ました。

明日から年末年始のお休みをいただきます。
スタッフはクリスマスの片付けと大掃除をして新年を迎えます。

明日もオルゴールをお聴きになりたい方は、16日と21日のブログでもご紹介している、東京ミッドタウンの富士フイルムスクエアに足をお運び下さいませ。

2012年は1月6日金曜日より開館いたします。
6日は企画展の展示替えと研修のため11時の博物館コースはお休みとなり、14時から開始します。

詳しい情報へ(富士フイルムのHPへ) 新しいウィンドウで開きます。

夜空の十字架

博物館の近所にカテドラルがあります。

ファイル 426-1.gif 東京カテドラル聖マリア大聖堂

日本キリスト教カトリックの総本山みたいなところです。、
かの丹下健三が設計したことで有名で、上から見ると十字架に見えるそうです。

ファイル 426-2.gif Googleマップ

さて、そのカテドラルのカリヨン塔のてっぺんに十字架がかかげられているのですが、
いつからか、その十字架がライトアップされています。

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カテドラルのHPを調べてもライトアップに関する情報はなく、
クリスマスだからなのか?
今年の大震災で被災された方々のための祈りなのか?
目的は判らないのですが、
夜空に浮かぶ十字架は幻想的です。

富士フイルム スクエアで

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12月25日日曜日まで、東京ミッドタウンの富士フイルム スクエア1Fで開催されている『アンティークオルゴール ミニ演奏会』。

お貸ししていたアメリカ・シンフォニオンのオルゴールが機嫌を損ねているようです。
あまりご機嫌斜めなために、月曜日に代わりのオルゴールをお届けしました。

お持ちしたのはポリフォン104、ドイツ、ポリフォン社のオルゴールです。
1890年代から製造が始まり、約20年ほど作り続けられた、当時のベストセラーズ機です。
博物館のコレクションの1号機。
こんな突然のことがなければ、門外不出の思い入れいっぱいのオルゴールです。
とっても優しい音がします。
お近くにお出かけの際は、是非お立ち寄り下さい。

演奏は各日11:00〜/13:30〜/15:00〜/17:00〜/18:00〜(各回約15分)
アンティーク・オルゴール ミニ演奏会
2010年12月17日(土)~12月25日(日)

詳しい情報へ(富士フイルムのHPへ) 新しいウィンドウで開きます。

東京ミッドタウンでアンティークオルゴールの音色が!

明日から、12月25日日曜日まで、東京ミッドタウンの富士フイルム スクエア1Fで『アンティークオルゴール ミニ演奏会』が開催されます。

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博物館から3台のアンティーク・オルゴールと1台のストリート・オルガンが出張し、演奏します。
入場は無料。

演奏は各日11:00〜/13:30〜/15:00〜/17:00〜/18:00〜(各回約15分)

ファイル 423-2.gif 写真は準備風景

会場は写真やカメラの歴史が楽しめる写真歴史博物館で、こちらも同時にお楽しみいただけます。

ファイル 423-3.jpg 富士フイルム写真歴史博物館

昨年はテレビで放映されて入りきれないほど盛況だったとのことです。
今年は大人気になる前に、六本木、赤坂近隣にお出掛けの際は是非、是非、お立ち寄り下さいませ。

アンティーク・オルゴール ミニ演奏会
2010年12月17日(土)~12月25日(日)

詳しい情報へ(富士フイルムのHPへ) 新しいウィンドウで開きます。