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秋の特別コンサート開催のおしらせ

秋の特別コンサート開催のお知らせ

ファイル 508-1.gif 音楽ホール

オルゴールの小さな博物館では9月22日土曜日(秋分の日)16時より1時間、秋の特別コンサートを開催します。

普段のコースではお見せしきれない、オルゴールの新たな魅力をご紹介するコンサートです。
会場は演奏会コースが行われる1階の音楽ホール。
オルゴールの為に音響設計された音楽ホールで、ゆっくりと演奏をお楽しみいただけます。

ファイル 508-2.gif 博物館のソフト収納棚
 
秋の特別コンサートは「オルゴールで聴く19世紀の人気作曲家」と銘打って、博物館にあるソフトを集計し、当時のオルゴール曲の人気作曲家や流行曲をご紹介します。
シリンダー・オルゴールの時代から、巷で人気の曲はオルゴールからも流れてくるようになりました。
ディスク・オルゴールの時代になると各社は発売ソフトの数を競い、新曲が発表され、人気が出るとディスクの新盤となって市場に出回っていたようです。
そんな19世紀の音楽市場を賑わせた人気作曲家の曲をオルゴールで演奏するコンサートです。
いつの時代もヒット曲は魅力があり、現代の私たちが聴いても、幸せな気持ちにさせてくれます。
シュトラウス2世、ヴェルディ、グノー、ワーグナーなど、19世紀の人気作曲家のヒット曲をお楽しみください。

ファイル 508-3.gif スタインウェイ・デュオ・アート

1920年代に製作された自動ピアノ、スタインウェイ・デュオ・アートでは、演奏時間が長く普段のコースではご紹介できない、バッハ作曲ブゾーニ編曲の『シャコンヌ』を選びました。
原曲は『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV.1004』の最終楽章です。
『ヴァイオリン一挺で宇宙を描いた』と言われるバッハの最高傑作のひとつです。
ブゾーニはイタリア生まれ、ピアノの巨匠であり、対位法に秀でた作曲家として知られています。
『シャコンヌ』はそのブゾーニがピアノという楽器の持つ可能性を最大限に発揮させるように編曲したといわれています。
ブゾーニの編曲は音符の数が多すぎて、原曲とは大きく異なり、バッハのファンからは批判されることもあります。
が、かのアルトゥール・ルービンシュタインは、ブゾーニ自身が弾く《シャコンヌ》をパリで聴いたときのことを
「ヴァイオリンのために書かれたシンプルな旋律とハーモニーに見事な伴奏声部を寄り添わせ、彼は作品に豊かな衣を着せてみせた。これはピアノ音楽の傑作である。バッハ自身も容認したに違いないと、私は思う。」と回想しています。
”15分ほどの楽曲に宇宙の全てが内包されている””バッハの宇宙に未来がプラスされた”などと評されるブゾーニ編『シャコンヌ』をブゾーニ自身の演奏でお楽しみください。

コンサート前に原曲を聴いておきたい方は…。
(ナタン・ミルシテイン 1986年7月 ミルシテイン83歳最後の公開コンサート)

  
  
  
  
特別コンサートにはもう一つ人気の企画があります。
「シリンダーこの一台」という企画です。
6曲、8曲入りのシリンダー・オルゴールは、普段のご見学では1曲のみしか演奏できません。
しかしコンサートではシリンダー1本を丸ごと聴きつくすことができます。

ファイル 508-4.gif  マンドリン シリンダー

今回のシリンダーは、マンドリンのようにトレモロ演奏が得意なシリンダーです。。
1870年頃に製作されたスイス・ブレモンド社(多分)製。
同じ音程の櫛歯を6本ずつ持っていて、すばやく順番に鳴らすことにより、マンドリンを演奏するようなトレモロ演奏で長い音を見事に表現します。
4曲入り。

オルゴールのファンのための特別コンサートは年に2回開催の予定です。
この機会をお見逃しなく!

秋の特別コンサート (第35回 友の会会員コンサート)

2012年 オルゴールで聴く19世紀の人気作曲家

9月22日土曜日(秋分の日) 16:00~17:00
料金:1800円(予約制)
定員28名様

ご予約はお電話で承ります。
TEL:03-3941-0008(10:30~18:00 日・月曜日休館)
定員になり次第、締切りとさせていただきます。

秋のコンサートの詳細へ 新しいウィンドウで開きます。

ディスク・オルゴール 「ロッホマン」 続き

グーでハチミツのコーナーです。

昨日のロッホマンの続きです。

営業用のこのオルゴール。
本体の前面にある扉にはコインの投入口があり、ここへコインを入れると演奏が始まります。

コインは一旦カップのようなもので受け止められ、時間が経つと下の引き出しへ落ちます。
この機種はディスク盤が半分まわったところで落ちたのですが、コインが落ちるタイミングはメーカーごとにそれぞれ異なるようです。

何故すぐにコインを引き出しへ落とさないのか?と不思議に思って、その仕組みに注目してみました。

ファイル 507-1.gif 扉を開いて、機械をカバーしているガラスを取り除いたところ。

コインが入るカップのようなものの先には棒がついています。

ファイル 507-2.gif コインを入れる前

棒の途中にはストッパーが付いていて、エアブレーキにつけられた針金を止めています。
上の画像の右の赤丸の部分です。
そして、左の赤の部分、棒のもう一方の先端に付けられたフックにも注目してください。

ファイル 507-3.gif

コインが入ると棒はシーソーのように傾き、孔からフックが飛び出しました。
すると針金がストッパーから外れてエアブレーキが動きはじめます。
エアーブレーキとはゼンマイの戻る力を制御する装置で、これが回ることで演奏が始まります。
演奏が始まってしばらくはカップにコインが入ったままです。 
 

ファイル 507-4.gif

ディスクが半周すると、フックは歯車についた山を越えます。

ファイル 507-5.gif

フックが山の頂上にくると、棒の反対に付けられたカップの仕掛けにより、カップの底が開きコインは引き出しに落ちます。

そして、ディスクが一周するのと同時に、歯車も一周し、フックは歯車の孔へ落ちます。
すると、針金がひっかかりエアブレーキを止めて演奏が中止されます。

コインを入れると演奏する機械。
今までなんとなく1曲で終わるんだなぁと思っていましたが、その仕組みを観察してみると、新たな発見があります。

観察することは大事なことですね。

ラジオ

明日のTBSラジオで博物館の「暮らしのなかのオルゴール展」が紹介される予定です。

ファイル 509-1.gif

番組は「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」。
時間は12時15分前後。
生放送だそうです。

お時間があったら是非聞いてみて下さい。