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イタリアの作曲家マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲(インターメッツォ)です。

このオペラはイタリアの音楽出版社が開催した一幕オペラのためのコンクールで選ばれ、その後の初演でも大成功を収めたことで、有名になりました。
当時25歳、ピアノを借りるお金にさえ事欠いていた音楽教師のマスカーニも、ここから音楽家として認められるようになりました。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は1890年の初演後3年間で、イタリアの66都市、イタリア以外の62都市で上演された、人気のオペラです。

ファイル 389-1.gif Pietro Mascagni(ピエトロ マスカーニ) December 7, 1863 – August 2, 1945 

「カヴァレリア・ルスティカーナ」は不倫のもつれから決闘、殺人に至る物語です。
このどろどろしたお話*1はイタリアで起こった事件がもとになっています。
このようなワイドショーみたいなオペラはヴェリズモ・オペラ*2といわれています。

ファイル 389-2.gif 1890年 コスタンツィ劇場での初演のスケッチ

約70分。
オペラとしては上演時間が短く、一幕だけで場面転換はありませんが、途中に間奏曲が入ります。
実はこの間奏曲はオペラ作曲以前にピアノ譜として書かれていたのだそうです。
そのため独立した曲として完成されていて、現代でも単独で演奏されることが多く、CMなどでもよく使われています。
ちょうどディスク・オルゴールの最盛期と、オペラが上演されていた時期が重なります。
人気曲を続々とリリースしていた100年前のオルゴール業界でも、当然カヴァレリアは人気があり、様々なメーカーのディスクに収録されています。

ファイル 389-3.gif ポリフォン105

今回はポリフォン105での演奏です。
このオルゴールは1890年代にドイツでつくられた営業用のオルゴールです。
コインを入れると、約60cmの大きなディスクで1曲演奏します。
7月中の演奏会コースで、実際の演奏をお聴きいただけます。

ファイル 389-4.gif リュージュ社のオルゴール クルミ72弁3パート

更に!オルゴールファン、必見のニュースがあります。

この人気曲がリュージュ社の72弁3パートに新登場しました。
オンラインショップ リュージュ試聴で、試聴できます。(72弁の下から2番目です。)
ラベルに問題があり、実際の商品のお届けは8月の半ばすぎとなりますが、博物館のショップでは試聴が可能です。

最後になりましたが、「カヴァレリア・ルスティカーナ」を訳すと「田舎の騎士道」。
素敵な曲と思い調べたときに、タイトルを訳を知ってちょっとがっかりしたことを思い出します。

*1:ジョヴァンニ・ヴェルガの小説「カヴァレリア・ルスティカーナ」が原作。この小説はシチリア東部のヴィッツィーニ村で起こった実話をもとに書かれている。
*2:ヴェリズモ・オペラ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」のように、人々の暗い日常とか暴力などを多用したドキュメンタリー的なオペラはヴェリズモ(現実主義)オペラといい、1890年代から20世紀初頭にかけてのイタリア・オペラの新傾向として登場した。(他にはレオンカヴァッロの『道化師』が有名)