今年の夏休みの自由研究の工作キット。
モデルにしたのはこのオルゴールです。
これは、まだ映画やアニメが出来る前の時代に作られたオルゴールです。
私たちが知っている映画が誕生したのは今から120年位前。
1891年のエジソンによるキネストスコープ、1895年のフランスのリュミエール兄弟がシネマトグラフの登場からです。
一定の速度でフィルムを送り、それを投影するという仕組みです。
しかし、映画が誕生以前にも、様々な発見があったようです。
1830年頃に残像効果により、連続した絵を続けて見ると、まるで絵が動いているように見えることが発見されました。
博物館にも、残像効果を利用して動画を見せるおもちゃがあります。
WHEEL OF LIFE 1870年代 イギリス製
中には連続した絵が入っていて、
周囲にあるスリットから覗くと空中ブランコの動画が楽しめます。
応用編がこちらです。
中央に絵と同じ数の鏡をセットして、鏡に映る動画を楽しむのです。
「プラクシノスコープ(プラキノスコープ)Praxinoscope」と名付けられました。
プラクシノスコープが発明され、程なく制作されたのがこのオルゴールです。
当時パーラーなどで人気があったようです。
記録には1878年のパリ万博や、1889年のユニバーサル万博に出展され、くつかの都市で公開されたとあります。
オルゴールの動力を利用しているので、絵を自動的に回転し、さらに音楽もついている!
アニメなど見たことのない時代の人々にとって、このオルゴールが見せてくれるのは、ひとときの夢のショータイムだったのではないでしょうか?