記事一覧

「天界から聴こえてくる澄んだ音」って?

今日は10月に演奏会コースで現在演奏中の大型のシリンダー・オルゴールをご紹介します。
1階の音楽ホールの左後の方に置いてあります。

ファイル 285-1.gif オーケストラル・ボックス・インターチェンジャブル 1890年代 スイス製

名前に注目です。
このオルゴールが持つ2つの大きな特徴が名前になっています。

まずはオーケストラル・ボックス。
このオルゴールには、オルゴールの他にベル、タイコ、カスタネットの打楽器と、リードオルガンがついています。
様々な楽器の演奏が楽しめ、まるでオーケストラのようなだと、この名前がつきました。

ファイル 285-2.gif

中でもオルガンの音色が印象的です。
オルガンを演奏するために、ケースの底の見えないところにフイゴが組み込まれています。
オルゴールを動かすゼンマイでフイゴも動かし、フイゴからの風でリードのオルガンを鳴らします。
当時、オルゴールに組み込まれたオルガンの音色には『ボワ・セレステ Voix céleste』という名前がつけられました。
Voix célesteを訳すと、「この世のものと思えないほど美しい天上の音楽」となりますが・・・。
こんな名前がついたオルゴール、どんな音色か聴きたくなってきませんか?

もう一つ特長は、インターチェンジャブルです。
オルゴールが置かれたテーブルの引き出しを開けると・・・。

ファイル 285-3.gif

シリンダーが入っています。
8曲収録されたシリンダーが全部で4本。
シリンダーは交換することができ(インターチェンジャブル)、全部で32曲も楽しむことができるのです。
ただしシリンダー交換の時は気が重くなります。
何故なら、シリンダーは意外と重く(約2.7kg)、シリンダーに植えられた繊細なピンや櫛歯を傷つけないように、
背伸びをしながら、プルプルと手を震わせながらの、大変な作業となるからです。
(シリンダー交換が大変だからディスク・オルゴールが発明されたんだ!と交換の度に思ってしまいます。)

「天上の音楽」が100年前の時を経て聞こえてきます。

演奏会コースはご予約なしでお楽しみいただけます。午後1時か3時までにお越し下さいませ。
演奏時間 13:00~ 15:00~(所要時間約50分)
演奏会コースのご紹介へ  新しいウィンドウで開きます。