来週から新しい企画展が始まります。
『自動的に楽器を演奏するものたち展』は今から約100年前に流行した自動楽器演奏装置の企画展です。
「自動的に楽器を演奏するもの」には大きく分けてふたつの種類があります。ひとつは、スイッチを入れるだけで勝手に演奏してくれる装置。もうひとつは、楽器の演奏を奏者がお手伝いして演奏するものです。
例えば
上の画像の左はコードフォン(1900年頃・ドイツ製)、右はメカニカルチター(1920年頃・ドイツ製)、どちらもチターの自動演奏装置です。コードフォンはゼンマイで動きスイッチを入れると、まるでプロの奏者のように自動演奏をしてくれるのですが、メカニカルチターはちょっと手間がかかります。
右手でハンドルを廻すとメインメロディが鳴りだします。ロールに書かれた数字を見ながら、左手で伴奏を弾かなければなりません。右手のハンドルは規則正しく廻すこと。そんなことに気を取られていると、左手の伴奏がおろそかに・・・。うー、難しい・・・。自動楽器なのにちょっと練習が必要です。上手く出来ないから伴奏はお客様にお願いしようと、もくろんでいるスタッフも!?
蛇腹を開閉しないと鳴らない自動アコーディオンは現代のものです。上手く弾きこなすとまるでプロの奏者のような演奏をします。この自動アコーディオンの演奏はお客様にもチャレンジしていただけます。お楽しみに!
一生懸命練習しなくても、いつでも自動で楽器を演奏してくれる装置は100年前の人々にとって憧れの楽器だったのでしょう。実は日本でも明治時代にそんな楽器がつくられました。
紙腔琴 1887(明治20)年頃 十字屋楽器店
孔のあいた紙で演奏する琴「紙腔琴」と名付けられました。キャッチコピーは「無師独奏」=”奏者がいなくても勝手に演奏する楽器”です。単純なメロディだけを奏でるこの自動演奏装置ですが、当時の日本では画期的な新商品だったのでしょう、小学校や音楽学校などに5800台も売れたという記録があるようです。欧米の楽器と聞き比べると、音楽性の違いを実感できます。
普段はあまり演奏しない自動楽器の演奏です。皆様のご来館をお待ちしております。
博物館コースでは企画展以外にもシリンダー・オルゴール、ディスク・オルゴールの演奏、オートマタの実演、体感ベンチをお楽しみいただけます。
次回企画展『自動的に楽器を演奏するものたち展』は7月20日(火)14時より博物館コースにてご覧いただけます。(11時のコースは展示替えのためお休みとなります。)
博物館コースは11時、14時、16時スタートで1日3回行います。定員があり満員の場合、入館出来ないこともございますので、是非ご来館の前にご予約くださいませ。
『自動的に楽器を演奏するものたち展』の詳しいご紹介へ 新しいウィンドウで開きます。