その上、ソフトをシリンダーからディスクにすることで、ハードウェアの点でもディスク・オルゴールは様々な構造上の自由度を持つようになりました。重いシリンダーを使用しないことや、収録曲数を増やすために櫛歯に工夫をしなくて済むようになったため、音域の広い高度な演奏を安価で楽しめるようになったのです。コインを入れて演奏する営業用のオルゴールも誕生し、パブやレストランなど、人の多く集まるところに置かれ親しまれました。シンフォニオン社の記録には、1903年までに販売したオルゴールは6,000台、ディスクはなんと10万枚とあります。しかし、1920年代になると蓄音機などの新しい音楽再生装置の発展にともない、その姿を消してしまいます。 |