1950年頃のアメリカのコイン・オペレート方式の自動ピアノ、オーケストリオン、その他類似の機種の総称してニッケロディオンというが、製作された当時には使われていなかった言葉。(ニッケロディオンという言葉は後日大変人気が出て、今日一般的に使われるようになる。)ニッケロディオンとは主に1903-1914年頃に1.5セントの入場料を請求した初期の劇場を意味する。(5セント劇場=ニッケル+劇場(演劇に対するギリシアの語))
電気仕掛けで動くニッケロディオンは、打楽器、パイプ・オルガン等の楽器を加えた自動ピアノとして大流行した。ドイツやアメリカでバーやカフェ、ダンスホールなどのために様々なスタイルのものが作られた。しかし1920年、禁酒法が発令されるとニケロディオンのマーケットは減少し、多くのメーカーが廃れていった。
このニケロディオンはピアノメーカー、ブリンカー・ホフ・カンパニーの自動ピアノに様々な楽器を後から付け足したもの。シロフォン(24キー)・カスタネット・タンバリン・大タイコ・小タイコ・シンバルが組み込まれている。音符を穿孔させたロール・ペーパーが音楽信号となり、ピアノ下部のトラッカー・バーの上をロールが通過するとその孔を読み取って演奏を行う。各ロール・ペーパには10曲近くが収録され、コインを入れると照明が点灯して1曲演奏する。ロールは交換が可能で、様々なジャンルの曲を楽しむことができる。当時25cを入れると1曲演奏する。
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