ピアノ正面に[H. HORVILLEUR & GEORGES PRESBERG / 7, Rue Du Temple PARIS(7,タンプル通り,パリ)]と象嵌で書かれている。 鍵盤のないバレル・ピアノで、ゼンマイを使用したもの。演奏時間が短く、バレルに曲を記憶させるのも手作業で、ロールペーパーを使用する空気式のピアノほど大量に普及はしなかった。小型のものは街に持ち出され演奏していた為にストリート・ピアノとも呼ばれる。
バレルを使用した自動ピアノのシステムは16世紀から存在していた。1547年のヘンリー8世王の死後に残された所有楽器の目録にはバレルを使用した3つのスピネット(小型のチェンバロ)が存在する。バレル・ピアノが商品化されるのは19世紀になってから。イギリス、ブリストルのヒックス・ファミリーにより広められた。ヒックスはバレル・ピアノやシリンダー・ピアノのメーカー。なかでもロンドンのジョン ヒックスは1805年頃に初めてストリート・バレル・ピアノを製造したことで知られている。
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