1886年にイタリア、ボローニャのジョバンニ・ラッカにより発売されたブックを用いた手廻し式の自動ピアノ。ブックとは音符を厚紙に穿孔して記憶させ経本状に折りたたんだもので、バレルと異なり長時間演奏が可能。ピアノには6オクターブ分の小さなレバーがあり、ブックの孔がレバーの上にくると、レバーがハンマーを操作し弦をたたいてピアノを演奏する。このピアノの特徴はラッカが特許を取ったハンマーを連続的に叩く機構。これにより孔の長さ分だけ長音を表現できる。ピアノ上部には音量調節のレバーが付き、ハンドルを回しながらブックに印刷されたラインにあわせてレバーを操作することにより、演奏に強弱を付けられる。当時、4オクターブから6オクターブ半まで4種類のモデルが生産され、約1万台が販売された。
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