アルバムを開くとオルゴールが鳴りだすミュージカル・アルバム。
1890年頃、多分ドイツ製。VICTORIAの文字と王室の紋章(“Dieu et mon droit”(神と我が正義)のフランス語)は君主の銘(motto))が刻まれた革の表紙に真鍮のクリップがつき、クリップを開くとオルゴールが鳴る仕組み。写真が貼れるカードボードには美しいカラー印刷が施されている。後半部はダミーのページでオルゴールの機械が組み込まれ、背表紙にゼンマイを巻く穴があいている。オルゴールは高音部の装飾音を上手に弾くことのできるピッコロ・シリンダーで2曲入り。
ミュージカル・アルバム(Musical Album)が登場したのは1870年代のこと。1880年代前半からさまざまなミュージカル・アルバムが作られるようにる。通常は写真が貼れる何枚かのカードボードが付いていて、背面の部分にムーヴメント(だいたい2曲入りが多かった)(スナッフボックスタイプが組み込まれ、アルバムを開くとオルゴールが鳴る。ゼンマイを巻く方法はキイで巻くタイプと、紐引きタイプがあった。
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