イタリアのバロックデザインの椅子に座ったアーチャーは、藤色のジャーキン(16-17世紀の革製の胴着)、革のフードとブーツ、黄色のシャツと赤いパンツと、イギリスの中世の衣装を着ている。フェルトでおおわれた木の台に置かれている。(大部分の彼のメカニズムと同様に)頭とアーチャーの身体は、見事に仕上げた木で覆われている。主に自生のセイヨウイチイとクルミ。メカニズムが動く所を見られるように、ベースの側面はガラスパネルになっている。
動きと音楽:
アーチャーは、キャプスタン(錨などの巻き揚げ機)から矢を拾うために、右腕を4回伸ばす。指と親指の間で矢をつかんで、左手を弓まで持ちあげ、矢を位置に入れる。そして、前方へ傾き、ねらいを定めるように片目を閉じる。左腕が弓を最高に引いたとき最も高い緊張といっていいほど会釈を招いて、羽の付いた矢に付けられた刻み目が、弓の弦にかかり、弓のテンションが最高に張られたその時、矢が放たれ、およそ6フィートの距離を飛ぶ。アーチャーは矢の飛んだ方へ頭をむけ、満足げに彼の右足を踏み鳴らし、舌を出す。この行為は、連続して4回繰り返される。
72弁3曲入りのリュージュ・オルゴールが組み込まれ、演奏する。16のアニメーション。
デイビッド サクレット David Secrett
イングランド、1982。彼は熟達した家具職人。日本の珍しいからくり人形を目にし、アーチャー製作を思い立った。ほんの僅かな数のアーチャーをアクション、音楽を僅かに替えながら製作した。複雑なメカニズムは、16のカムと木製の刻まれた均力車と紐から成る。ゆるんだ紐を再調整しなければならない事以外は、素晴らしい構造である。
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