婦人がポットからカップへ紅茶を注ぎ、カップを口元へ運びお茶を飲み干す。カップに入れた水は、カップの底から、左手、胴体、右手へと繋がれたチューブを通って右手のポットへ移行。水は巡回する。眉や瞳、唇を動かし、表情が豊か。
白いレースをあしらった紫の花模様のドレスと帽子を身にまとっている。(ドレスはクリーニングしたか後に作ったものか?)頭部はペーパーマッシュ。人形下の台にはスタート・ストップレバーとハンドルが付いていて、メカニズムは台の中に組み込まれている。
曲:
グノーのアヴェマリア
Phalibois(ファリボア)
ジャン・マリー・ファリボアは1871年に工房を開く。最初は煙草ケースやボトル等のオルゴール付き小物を製作していたが、1878年のパリ万博への出展を機にオートマタ製作を手がけるようになる。ファリボアはガラスドームの中で風景などを再現するジオラマを多く製作したが、19世紀も終わりになるとガラスドームの需要はなくなり、1905年まで大型のオートマタを作製するようになる。その後ショーウインドーに飾る電動式の人形を作るが、1925年、時代の流れとともにオートマタの工房を閉じる。 |