右手にはトルコ・コーヒー、左手には水煙草を持ち優雅に煙草を吸いながらコーヒーを飲む。水煙草の壷に実際に煙草をさすと、人形下の台に隠されたフイゴにより煙草を吸う。吸った煙は口の中に取り付けられた管から吐き出される。
頭には白いシルクのターバンを巻き、ガラスの眼とモヘアの髭と眉毛を持つ。瞼は動物の皮で作られ、表情を豊かにしている。白いシルクのブラウスにレースの付いたえんじの上着とシルクの白いパンツを着け、胡座をかいている。人形下の台にはスタート・ストップレバーとキイが付き、メカニズムは台に組み込まれている。
ランベール
レオポルド ランベールは時計工の職に就くがヴィシーに師事し、その後1886年に独立。お針子をしていた妻のブルジョアが豪華で優雅な衣装を担当し、それがランベール作品の魅力のひとつとなる。LBという夫婦の頭文字の商標を用いる。彼の作品は、個別受注による複雑で大型のものと、大量生産用の小型のものの2つに分別できる。工房は各万博で度々賞を取り繁栄を続けるが、第一次世界大戦の勃発や電動オートマタの出現がゼンマイで動くオートマタ製品の中止を余儀なくされる。 |