ミルクの缶に入ったネコが回転しながら缶から顔を出す。顔を出すと舌をペロペロと出したり引っ込めたりし、しばらくすると何かに驚いたように、急いで缶に引っ込んでしまう。兎の毛皮に覆われ、ガラスの眼を持つ猫。缶の中にオルゴールとメカニズムが組み込まれている。缶には蓋があるが、蓋は演奏時には外す必要がある。
当時のルレ・エ・ドゥカンのカタログ(No.197)にミルク缶から猫が飛び出し舌をペロペロとするものがある。
ルレ・エ・ドゥカン(Roullet & Decamps)
機械技術者であったジャン・ルレが1866年に開業。新しい工作技術を取り入れ、からくりの世界では立ち遅れの目立った技術面と経済面を解決し、翌年の万博で早々に銅メダルを獲得する。ルレが60歳を越した1889年、約20年間共に働いた娘婿のドゥカンをやっと認め「ルレとドゥカンの工房」となる。この年から広く宣伝を行い、その作品は海外にも輸出され、工房は繁栄を極めた
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