ビスク・ヘッドはジュモーの作品。前後左右に首を振りながら、ギターのネックを持った左手を上下しながら、右手でギターを弾く仕草をする。
閉じた口とガラスの目を持ちモヘアのカツラを付けている。頭には羽の飾りを付けた帽子をかぶり、レースの飾りをあしらったシルクのワンピースを着ている。人形下の台にはスタート・ストップレバーとキイが付いていて、メカニズムは台の中に組み込まれている。
Lambert(ランベール)
レオポルド ランベールは時計工の職に就きますが、ヴィシーに師事し1886年に独立します。お針子をしていた妻のブルジョアが豪華で優雅な衣装を担当し、それがランベール作品の魅力のひとつとなり、LBという夫婦の頭文字の商標を用いるようになります。彼の作品は、個別受注による複雑で大型のものと、大量生産用の小型のものの2つに分別できます。工房は各万博で度々賞を取り繁栄を続けますが、第一次世界大戦の勃発や電動オートマタの出現がゼンマイで動くランベールのオートマタ製品の中止を余儀なくします。
人形: Jumeau(ジュモー)
父ピエールと息子エミールが築き上げたフランスを代表する人形メーカー。太く弧を描く眉、大きくてつぶらな瞳、ふくよかなほおが特徴です。特に衣装制作に力を入れた父ピエールは、ファッションドールの名品を数多く生み出し、第1回万国博覧会でも人形の衣装部門で入賞。息子のピエールは、べべ・タイプ(赤ちゃんの人形)を数多く作っていました。「ポートレート」「ロング フェイス」「E・J」「テテ ジュモー」などと呼ばれる名品も数多く残し、他のメーカーへビスクヘッドの供給も行っていたようです。
|