このオルガンはパイプを使用した屋外用バレル・オルガン。ハンドルを回すと、短音用のピンと長音用のブリッジの打ち込まれた大きな木製の円筒(バレル)が回転し、同時に空気がフイゴに送られる。バレルのピンやブリッジに触れたキーが押し上げられるとパイプ下部のバルブが開き、フイゴに溜まった空気がパイプに送り込まれて演奏する。パイプは低音用に太い木管、高音用に金管を配置し、各管への空気の調整弁が付いている。その調整はケース左側の6本のストップにより行う。このオルガンは8曲入り。曲目の交換はバレルをずらし込んで行うが、バレルの軸に刻み目があり、これに金具をセットして固定する。
チューンシートにはOrchestrion-Orgel-Fabrik S.Sinnerの記述あり。
Netschada of Odessa
Johann Netschada
オルガン作りのマイスターであるJohann Netschada(メッシャーダ)ドイツで働いくチェコ人。1886年、ウクライナのオデッサへ移りオルガン工房を創立する。彼の工房は18人の労働者がいたが、各々が部品を作るのみで、オルガン製作の技術はNetschadaが持っていた。
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