1898年にデンマークのブールゼンが鋼線式(ワイヤー)磁気録音装置を発明。ちなみに現在の磁気テープは1930年頃にドイツのフロイマー博士により発明。ワイヤーレコーダーは1920年代にはドイツ,アメリカ,イギリスで鋼線式や鋼帯式が出回った。磁気テープが開発される前は手具巣のような極細い鋼線に磁気で記録し、それを再生していた。主に音声記録専門で機器の愛称もボイスメモと言われていた。ワイヤーリールは、資料によればステンレススチールワイヤーで太さは0.004(インチ)で長さは1時間($5.00)、30分($3.00)、15分($2.00)の3種類で販売されていた。このワイヤーレコーダーはウエブスター シカゴ社の製品。
モデル80-1。製造番号35896。
ウエブスター シカゴ社の製品は戦後の数年間に発売されたもので当時放送局でも活躍した時期あった。この機器はリール側の直径が大きく、ワイヤーをモーター回転で巻き取るという単純な機構。ヘッドはリールの回転に連動して上下に移動して、リールに均一に巻き取る様になっている。ウエブスター シカゴ社からは3~4機種が発売されているようだが、いずれの機構も全部一緒。このメーカーも後にテープレコーダーに進出し1949年頃まではこのワイヤーレコーダーを生産した。
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