1877年のエジソンの最初の錫箔を用いた蓄音機から、大きな進歩をして登場したのがクラスMだ。 1888年6月16日の朝、エジソンはクラスMと写真を撮り、その写真はエジソンのお気に入りとなった。写真を油絵に描きなおし死ぬまで彼のオフィスに飾っていたという。クラスMは
ゼンマイ式の蓄音機の発明の数年前に作られた。クラスMはエジソンのラーランド電池Type Sを用いる電気モーターで動く。 多くの人がクラスM は「Grenet Cell (重クロム酸電池)」によって動いていると考えるが、クラスMが商業的な市場に入る頃には、それらの研究所バッテリーは1889年以後に開発された優れたエジソンラランド電池に取って代わられる。通常の蓄音機では台下に隠される
ガバナー(速度調整器)が機械の上に置かれている。そして、垂直に動き出す。 クラスMはノース・アメリカン フォノグラフ社により1890年まで製造された。当初は口述のための事務機器として賃貸しようと試みたが、惨憺たる失敗に終わる。しかし、エンターテイメントとしての可能性を残し、一般市民の注目を浴びることになった。 ノース・アメリカン フォノグラフ社が1894年に破産するまで、ビジネス用と家庭用の両方で販売された。 しかし、これらはとても高価な機械(平均的給料が1ヵ月につきおよそ40ドルであったところ、225ドル)だったため、多く売られることはなかった。その為、今日、 クラスMはアンティークの蓄音機のなかでも垂涎のもののひとつといわれている。これはコインを入れると動くコインオペレート式。聴診器のような形のイヤフォンで聞く。
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