シリンダー・オルゴールの初期の優れた表現方法としてピアノ・フォルテがある。フォルテ用の櫛歯とピアノ用の櫛歯2枚を使用して強弱のある演奏をする。櫛歯の研磨と調律、シリンダーのピンの植え方、ピアノ部分のシリンダーの厚さなど、製造上困難な作業が多い。これは左側にフォルテ用75歯(キイ)、右側にピアノ用30歯(キイ)を持ち6曲入り。キイ・ワインド方式でゼンマイを巻き上げる。ケースの左側面が開くようになっていて、ストップ・レバー、1曲演奏レバー、曲目変換レバーの3つの操作レバーが並んでいる。
ルクルト・フレール (スイス ジュネーヴ)
フランソワ・ルクルトは1814年に一枚の金属の板に刻みめを入れたシングル・ティース・コムと錘を使って櫛歯を調律する方法を開発したことで有名だが、同時に有名な時計メーカーでもあった。ルクルト, Davidは1810年創業。オヴァーチュアを含む、大から小までの品質の良いオルゴールを製作。スクエアエンドの櫛歯でも有名。1850頃、2社が共同し、ルクルト・フレール社を創業。ゼンマイの巻き上げ方法をキーからレバーに改良した最初のメーカー。
Lecoulre Forte Piano No.28811
1 Le Prophete, Marche du Sacre 「予言者」より 載冠式行進曲 Meyerbeer マイアベーア
2 La Cenerentola, Non piu mesta 「シンデレラ」より 悲しみよ去りゆけ Rossini ロッシーニ
3 Don Giovanni, La ci darem la mano 「ドン・ジョヴァンニ」より さあ行こうツェルリーナ (手をとりあって) Mozart モーツァルト
4 La Norma, Deh'conte li prendi 「ノルマ」より この子たちを連れて行って Bellini ベルリーニ
5 La Fille du Regiment, Vas redouble 「連隊の娘」より ラタプラン Donizetti ドニゼッティ
6 Robert le Diable, Robert,toi que j'aime 「悪魔のロベール」より ロベール、わたしの恋人 Meyerbeer マイアベーア
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