1877年にエジソンが製作した実験用の蓄音機の1号機のレプリカ。
鋳鉄製の台座は何か別の目的で使われたらしく、ドリルによる不要な穴がいくつも開いている。錫箔を巻き付けるブラス製の輪胴(マンドリル)は直径100mm、長さ85mmで、1インチ当り25本の溝が切ってあり、直径18mmで長さ292mmの鋼鉄製のシャフトに取り付けられている。振動板は直径55mmの雲母(マイカ)製で左側の長い方が再生用、右側が録音用である。
エジソンの最初の蓄音機
1877年の初冬のある日。アメリカ・メンロパーク村の「エジソン研究所」でのこと。所長・トーマス アルバ エジソンはある機械を持ち出した。「人の声を記録する機械だよ。」「人の声を記録するだって?そんなことうまくいくはずないさ」
その場にいた人々は賭けを始めた。「失敗したら、所長の葉巻を下さいね!」
エジソンはハンドルを廻しながら、機械に向かって大声で歌い出した。
「メリーさんの羊、羊、羊 メリーさんの羊は真っ白だ…」
それから、機械を慎重に操作して、再びハンドルを廻すと「メリーサンノヒツジ、ヒツジ、ヒツジ…」
「おお!神様」機械が歌い出したのだ。
この実験はたった一枚のスケッチとたった一回の試みで成功した。人類が長い間、待ち望んでいた「音を記録する」ことに成功した最初の瞬間だった。
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