当時のシリンダー・オルゴールは得意とする演奏の名を冠していた。
オルゴールの演奏技法では、マンドリンとは同じ音程で調律された歯を3本以上持ち、すばやく順番に鳴らすことによりマンドリンを演奏するようなトレモロの効果を得る演奏をいう。またピッコロは高音と高調子でメインメロディの伴奏を行うことをいう。
通常この名を冠したオルゴールは前記の様な特徴的な演奏を行うが、このオルゴールは商品名としてのみの感がある。長時間演奏を可能にするために、2個のゼンマイを1個の長い香箱のなかに組み込んでいる。ゼンマイはレバー・ワインド方式により巻き上げる。何曲目を演奏中なのか示す曲のインジケータが付き、1曲演奏レバー、曲目変換レバーの2つの操作レバーが付いている。ゼンマイ巻き戻し防止のため棒の両端にボール状の重りを付け、ボールの重みでゼンマイの逆回転を防ぐ装置付。チューンシートに記入されている曲と実際の曲が異なる。
(メーカーはチューンシートから推測。このチューンシートは通常カンデ又はジュノーで使用されたもの。)
1 unknown
2 unknown
3 Estudiantina 女学生 Waldteufel ワルトトイフェル
4 When the Swallows Homeward Fly つばめが故郷へ帰るとき Abt, Franz Wilhelm アプト
5 Martha 「マルタ」より うるわしき君がみ姿 Flotow フロートー
6 Der Freischutz 「魔弾の射手」より 狩人の合唱 Weber ウエーバーー
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