シリンダー・オルゴールの名門であったメルモド・フレール社は1890年代になってシリンダーの技術を生かし、ヨーロッパやアメリカ向けにディスク・オルゴール生産を開始した。主要製品はステラとミラで、ほとんどはケースなしの機械部分だけが販売され、イギリス、アメリカ、フランスを始めとする各国で独自のケースに納められて販売された。
小型の家庭用のオルゴール。アメリカの代理店ジャコット・ミュージック・ボックスはその広告に”信じられないほどの美しい音”Unequaled for sweetness, Harmony and volume of tone(音色の甘さ、調和、ヴォリュームとも類がない)と謳っている。
メルモド・フレール社 (スイス サン・クロワ)
シリンダー・オルゴールの名門メーカー、メルモド・フレール社は、シリンダーの技術を生かしヨーロッパやアメリカ向けにディスク・オルゴールの機械部分だけを製造し輸出していた。アメリカやイギリスなど各地のディーラーが組み立て、独自のケースに納めて販売していた。中でも最大のディーラーであったシカゴのリヨン&ハーリィは後世に名の残る“ステラ”、“ミラ”の2機種を作り、ヨーロッパやアメリカの市場に参入した。ステラは突起のないディスクを使用し、直径24.4cmから43.8cmまでの8種類。1896年に発売された。ロンドンでは代理権を獲得したアルフレッド ペイラードによって1899年にアメリカ製のものとは外観が異なるステラを発売。