ニューセンチュリーはアメリカ市場をターゲットとして製造されたオルゴール。機械はスイスのメルモード社が製造し、アメリカ・シンフォニオンのケースに収め、1902年4月に初めて紹介された。このオルゴールはディスク・シフティング・ボックスと呼ばれ、センター軸を僅かに移動させ1枚のディスクで2曲演奏することができる。またケース内のレバーにより、通常のディスクと同様にシフトさせずに演奏することも可能。そのためディスクは2通りあり、六千番台の番号が振られた6000シリーズのディスクはシフティングディスク用で2曲収録。四千番台の番号が振られた4000シリーズは通常のディスクと同様で1曲のみが収録されている。2回転による演奏時間は約2分45秒で長時間演奏も可能にした画期的なオルゴール。ロング・ベッドプレートを持ち、2枚の向き合った櫛歯はサブライム・ハーモニーの演奏を奏でる。また、ケース内側に速度調整レバーが付き速度調整も可能。リム・ドライブ方式でディスクを回転させる。ケース右側のハンドルでゼンマイを巻き上げる。ディスクは亜鉛で出来ていて柄杓型の突起をもち、タイトルは英字のみで書かれている。
ニューセンチュリーには、通常のディスクオルゴールと同様にシフトしないノーマルものも発売されている。シフティング・ディスクはシリオンの権利を引き継いだドイツのアルフレッド ケラーのアメリカのパテントをメルモド・フレール社が引き継いだ。またロンドンのメルモドフレールのエージェントのアルフレッド ペイラードはイギリスでケースを作って、ニューセンチュリーを英国市場向けに発売していた。
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