ディスク・オルゴールに関しての苦情はディスクを自分で交換しなければならないことであった。そこで考えだされたのがオートマチック・チェンジャーである。レジーナのチェンジャーは「コロナ(王冠)」の愛称で、15 1/2inch 20 3/4inch 27inchが発売された。ゼンマイを動力とし、下部にセットした12枚をディスクを順番に演奏し、交換していくことができる。ケース右側の選曲のダイヤルにより任意の一曲を聞くことも可能。ケース右側のレバーによりスタート、ストップ、リピートが選べる。チェンジャーはポリフォンやシンフォニオンでも生産したが、中でもレジーナは数千台が作られた。
Style35は15 1/2inchを使用。コイン・オペレートは付いておらず客間用でゼンマイをいっぱい巻くと約30分の演奏が可能。1つのゼンマイでディスクのセットと演奏を行う。櫛歯は76本のダブルコーム(ひとつのスター・ホイールで1本の櫛歯を弾く)で半音階ずらして調律されている。リム・ドライブ方式でディスクを回転させる。ロング・ベッドプレートを使用している。オークかマホガニーの様々なスタイルのケースに入れられて販売された。同型式のコイン・オペレート式のものはStyle 32として、1899年2月8日に第一号機が出荷された。家庭用のこのモデルの製造番号は50001から51916。1899年に初出荷され1905年まで。1906年以降の製造番号は3500001から3500267。フロントはクリアグラスが標準で、1908年のレジーナのカタログには200ドルで販売された。時計のアタッチメントが25ドル。ステンドグラスのドアが20ドルで別売されていた。1912年頃まで人気があった。
レジーナ社 (アメリカ ニュー・ジャージー)
ポリフォン社を創業したグスタフ ブラッハウゼンは1892年(35歳のとき)にアメリカでの特許取得と、ポリフォン社製品を輸出する目的で渡米し、1894年にレジーナ社を創業。当初はポリフォン社の製品を販売していたが、一年も経たずにラーウェイに工場を作り、またたくまにアメリカ最大のメーカーとなる。1922年に倒産。多くのアメリカ人にとってオルゴールとレジーナは同意語と思われるほどで、創業から約10万台のオルゴールを供給し、ポリフォン社、シンフォニオン社とともにオルゴールの三大メーカーといわれている。
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