より複雑な演奏を求めて、2枚ディスク用、3枚ディスク用の機種を製造した。これは全く同じアレンジの2枚のディスクを演奏するもの。櫛歯は中央軸を挟んで、両側に1つずつセットされているが、これはシンフォニオンの小型、中型のディスク・オルゴールの特徴でもある。「サブライム・ハーモニー式」と呼ばれ豊かな音を提供するが、ディスクの製造は複雑になる。2枚のディスクを同時に演奏するようにセンター・ドライブ方式でディスクを回転させる。ケースの正面のハンドルでゼンマイを巻き上げる。スタート・レバーと速度調整レバーはケースの中にある。ケースはアメリカンオークの木で造られている。1898年のカタログには「価格:ディスク無しでMk.215、ディスクは1セットMk.1.70 重量:Net40kg Gross59kg、格調高いウォールナットのケースにエレガントな寄木細工、壮麗(規模が大きい上に美しいと人に感じさせること)な音色」とある。
シンフォニオン・マニファクチャリング社 (アメリカ)
シンフォニオン社は1890年代初め頃、アメリカの大きな市場を開発するためにシンフォニオン・マニファクチャリングという名の姉妹社をアメリカに創業。ニュー・ヨークにオフィスを構え、“インペリアル シンフォニオン”の商標で、アメリカ人の好みに合うようなオルゴールを販売した。このImperialという商標がドイツから輸入したディスクとアメリカ製のものを区別していた。ポリフォン社がレジーナ社を成功させたようには上手くいかず、1900年代の初めに操業を停止している。
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