「ヘルベチア」とはスイスのラテン語名で、スイスの郵便切手に表示されている名称。ヘルベチアはエーデルワイスに続いて発売されたトーレンス社の2つめのブランド。1882年創業当初のヘルベチア(大きなサイズのもの)は穴あき円盤を使用し小さなレバーで櫛歯を弾くメカニズムを採用していたが、後に小型になり、8 1/16インチのオルゴールからはスターホイールを使用したメカニズムが採用されるようになる。ディスクに印刷された矢印をセンターにあわせてセットする。このオルゴールはスターホイールを用いて櫛歯を弾く後期のもので、1枚の櫛歯とロング・ベッドプレートを持ち、センター・ドライブ方式でディスクを回転させる。また、ケースの内側には、右側にスタート・レバー、中側には速度調整のレバーが付いている。ディスク専用収納ケースが付いている。
トーレンス社 (スイス サンクロア)
1882年創業。大きなサイズから小さなサイズまでのシリンダー・オルゴールを製造。(Hermann Thorensは1896年のジュネーブ万博にプレロディニークを発表した人物。)エーデルワイスやヘルベチアブランドのディスク・オルゴールを製造。1900年のパリ万博にはスリーコインオペレートのベル・オルガン付の2枚櫛歯のディスク・オートチェンジャー・オルゴールを展示。
トーレンスのオルゴールはジャン・ポール・トーレンスを責任者とする、メロディズ.S.A.(オーベルソン)の工場で製造された。
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