営業用のコイン・オペレート式の機種で、コインを1枚入れると演奏する。ケース下の切換レバーで、1枚のコインで1回転させるか2回転させるかディスクの回転数を選択できる。ベル付きのディスク・オルゴール作りにかけてカリオペ社の技術は定評があった。中・低音用、高音用、ベル用の3枚の櫛歯が対になって演奏を行う。中低音部とベルの櫛歯はダブルコーム(1つのスター・ホイールで1枚の櫛歯を弾く)で、高音部の櫛歯はデュプレックスコーム(1つのスター・ホイールで2枚の櫛歯を同時に弾く)サブライム・ハーモニーになっている。ベル12個を持ち、賑やかな演奏。ベルのオン・オフはケースの内側のレバーで行う。リム・ドライブ方式でディスクを回転させ、ゼンマイの巻き上げはケース右側のハンドルで行う。当時の価格は320マルクで、エキストラ・ディスクも1枚2.8マルクで多く販売されていた。
カリオペ社のロゴマークはKalliopeだが、フランスではCalliopeで販売されていた。
カリオペ社 (ドイツ ライプチヒ)
1895年創業。後発でディスク・オルゴール業界に参入したが、数多くの機種を発表してドイツの三大メーカーのひとつといわれるほどになる。カリオペ゚社ではベルが最も一般的な付属品で、多くの製品に取り付けられた。ベルの種類は3種類(ソーサー型、棒型、管型)あったが、ほとんどにソーサーベルが使われた。カリオペ社は第一次世界大戦後も存続し、後に蓄音機を製造するようになる。
|