家庭用のオルゴールとしてこの大型のテーブル・タイプの発売は時代の要求だった。櫛歯は60本と58本(計118本)のダブルコーム(ひとつのスター・ホイールで1本の櫛歯を弾く)。リム・ドライブ方式でディスクを回転させる。ケースにはくるみの木を使用し、上蓋には象嵌が施されている。ケース右横のスイッチがスタート・スイッチになっている。当時の広告には”ケースはクルミ材で作られているが(No.45 と同様)、No.104(インペリアル)のように精巧に仕上られている。その音はパワフルだが、決してうるさくはない。”とある。ディスク6枚付きで£21で販売された。ケースに黒くるみの木を使用した同型のものは£22で販売された。
ポリフォン社 (ドイツ ライプチヒ)
グスタフ ブラッハウゼンとパウル リスナーがシンフォニオン社から独立し、1887年に創業。急速に社業が発展し1895年から最盛期を向かえ、その数年後には従業員が1000人に達する大会社となる。16.5cmから80.0cmまで14種類のディスクを作り、それに適合する多種類のオルゴールを販売したが、1914年第一次世界大戦勃発の年にオルゴールのビジネスを終了。その後1930年代まで蓄音機を販売。レジーナ社、シンフォニオン社と共にオルゴールの三大メーカーといわれている。
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