ポリフォン社のもっとも人気のあったモデルのひとつで、15 1/2inchディスクを使う家庭用のテーブル・タイプ。ケースにはくるみの木が使用され象嵌の上蓋を持つ。内蓋には風景のカラー写真が飾られている。78ノートのシングル・コーム(櫛歯1枚)を持ち、ロング・ベッドプレートを使用。リム・ドライブ方式でディスクを回転させる。ケース右側のハンドルでゼンマイを巻き上げる。また、ケース右側にはスタートスイッチが付き、速度調整レバーはケースの内側に付いている。このシリーズのモデルにはStyle No.43B No.43D No.43BGがあり、No.43Dは櫛歯2枚を持つモデルで、No.43BGは12個のベルが付いたモデルとして販売されていた。No.43Bは当時ディスク6枚付きで£8 10sで販売されていた。当時の15 1/2inchのディスクの広告には”2000曲から選べる”と謳っていた。
ポリフォン社 (ドイツ ライプチヒ)
グスタフ ブラッハウゼンとパウル リスナーがシンフォニオン社から独立し、1887年に創業。急速に社業が発展し1895年から最盛期を向かえ、その数年後には従業員が1000人に達する大会社となる。16.5cmから80.0cmまで14種類のディスクを作り、それに適合する多種類のオルゴールを販売したが、1914年第一次世界大戦勃発の年にオルゴールのビジネスを終了。その後1930年代まで蓄音機を販売。レジーナ社、シンフォニオン社と共にオルゴールの三大メーカーといわれている。