家庭用の中型のオルゴール。くるみのケースに飾りを施したコーナー・ポストを持ち、蓋には美しい象嵌が施されている。ケースの両脇には真鍮の取っ手が付き、ディスクには珍しいガラスの中蓋がついている。櫛歯は中央軸を挟んで、両側に1つずつセットされているが、これはシンフォニオンの小型、中型のディスク・オルゴールの特徴でもある。「サブライム・ハーモニー式」と呼ばれる配置で豊かな音を提供するが、ディスクの製造は複雑になる。センター・ドライブ方式でディスクを回転させる。ケース正面にラッチレバーが付きゼンマイを巻き上げる。全く同じ仕様のケースで13 5/8inchディスクを使用したものはStyle30Aで販売された。
シンフォニオン社 (ドイツ ライプチヒ)
ディスク・オルゴールを最初に作ったメーカー。ディスク・オルゴールの発明者であるパウル ロッホマンが1885年に創業し、翌年には最初のディスク・オルゴールを発売。創業以来数多くの製品を送りだし、急速に発展した。ディスクの直径11.5㎝(ディスク最小)から76cmまで、小型から大型まで21種類のディスクがセットできる多種多様のオルゴールを発売した。なかには2枚、3枚のディスクを同時に使用するユニークな製品もある。ポリフォン社、レジーナ社とともにオルゴールの三大メーカーといわれている。アメリカには子会社のシンフォニオン・マニュファクチャリング社を設立。1920年頃まで継続していたが、20年代は主に蓄音機を販売していた。
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