家庭用に大量生産されたテーブルタイプの代表機種で、No.60GはNo.60のベル付き版として販売された。カリオペ社ではベルは最も一般的な付属品で、その音色の良さには定評があった。1枚の櫛歯の他に高音用のベル10個を持ち、小型ながら美しい演奏を楽しめる。高音用のベルは右から5本目から14本目の櫛歯に連動して、ベルのオン・オフはケースの内側のレバーで行う。センター・ドライブ方式ディスクを回転させ、ゼンマイの巻き上げは中央の軸で行う。ケースの右側にスタート・ストップレバーが付いている。このオルゴールの中蓋の絵は石版印刷されたもの。当時106マルクで販売されていた。
カリオペ社 (ドイツ ライプチヒ)
1895年創業。後発でディスク・オルゴール業界に参入したが、数多くの機種を発表してドイツの三大メーカーのひとつといわれるほどになる。カリオペ゚社ではベルが最も一般的な付属品で、多くの製品に取り付けられた。ベルの種類は3種類(ソーサー型、棒型、管型)あったが、ほとんどにソーサーベルが使われた。カリオペ社は第一次世界大戦後も存続し、後に蓄音機を製造するようになる。